シークレットポイント Secret Points |
| 0022−1 |
| 丑ケ池(うしがいけ) ushiga-ike |
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| 千葉県東金市家之子(いえのこ) |
1地形図 | 成東3680 |
| 溜池(潅漑用) |
| 丑が池、牛が池、牛ケ池 |
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東金市街地より、国道126号の旧道を下り、"家の子"バス停の 信号を左折。T字路は右折し、30m先(左ト)を左折。 T字路は右折し、両総用水を越えて道なりに900m。 Y字路を左に入り、250m先(左ト・養老院芙蓉荘の看板あり)を左折。 養老院を越えて、道を詰めれば大池の堰堤が見える。 |
| 42,659 u |
| 5m |
| ・・ |
| ・・ |
| 不詳 |
生息確認年月 | 1995(平成07)年07月15日確認 2003(平成15)年08月18日未確認 |
| 貸しボート・トイレ・売店なし。 駐車場はないので、通行の支障にならぬよう道路脇に駐車する。 |
状 況 | 丑ケ池の、周辺環境は整備された。 |
本稿は当初発表(1998年)から、5年が経過したので続編として、現状を取材した。 | |
1995(平成07)年当時のようすは「本編」に残してあるので、あわせてご覧頂きたい。 |
大池は、2002(平成14)年、水抜きされ、東岸の道路下に木道・東屋が新設された。 | |
このため、水面に繁茂していたヒシと水中のオオカナダモは、半減したようだ。 | |
ウィードが少ないから、降雨時の大池の水色は、マッディーになりやすい。 |
大池のシャローにブルーギルとオタマジャクシ(ウシガエル)がたくさん見える。 | |
BASSは個体数が激減したようで、取材日は目視・釣獲ともにゼロであった(大池&蓮池)。 | |
以前棲息していたヘラブナの、その後の動向は残念ながら不明である。 | |
木道は、北の蓮池の東岸にも伸びている。 | |
蓮池は、水抜きされておらず、アメリカザリガニが多い。 |
千葉県が事業主体となり、東金市(農政課)と家之子地区水環境整備事業連絡協議会が | |
意見具申して進められたと聞く「丑ケ池周辺の親水公園の整備」は、木道・東屋・看板設置が主要な | |
事業内容らしいが、施設の整備ならば、ビジター向けの「公衆トイレの設置」が不可欠ではないか。 | |
水と親しむことを本気で進めるなら、市内・雄蛇ケ池の前例に習い「水洗式公衆トイレと駐車場の設置」 | |
(もちろん、体の不自由な人も利用できるもの)は緊急のテーマであると、ここに提言しておこう。 | |
湖沼・沼沢・湿地の区別について、湖沼学者吉村信吉は『湖・沼』で述べている。 | |
「地名などでは、かやうな学術上の区別が守られてゐない場合のあるのは勿論である。例へば、深さ | |
九六メートルもある福島県只見川沿ひの沼沢沼や、赤城山の大沼(おの)は湖でありながら沼と呼ばれ、 | |
反対に、山形県赤湯温泉付近の白龍湖や、九十九里濱東金町の八鶴湖は学術上沼に属する。」と、 | |
八鶴湖を事例に挙げている(8pp)。 | |
昭和30年代の、東金市内・八鶴湖のマブナ・ライギョ・コイ釣りについては、大橋青湖が『釣の風景』 | |
「八鶴湖の釣り場」(35pp)で紹介している。 |
丑ケ池の東方5km・山武市(旧山武郡成東町殿台)に、歌人・伊藤左千夫(1864-1913)の生家がある。 | |
牛飼が歌よむ時に世の中のあらたしき歌大いにおこる | |
有名なこの歌は、巷間、左千夫が正岡子規を訪ねた1900(明治33)年01月以降の歌と考えられているが、 | |
桂子の葉書から、1897(明治30)年07月以前の作ではあるまいか、と門下・土屋文明は『伊藤左千夫』 | |
(34-35ページ)で述べている。 | |
もちろん「牛飼」とは、1889(明治22)年04月、本所区茅場町(現・JR錦糸町駅前広場)でデボン種を | |
飼育し牛乳搾取業を営んだ、左千夫その人を指す。 | |
伊藤左千夫の生家は、山武市歴史民俗資料館の裏手にある。 |
Reference Books. よしさん架蔵 | ||
○湖・沼 吉村信吉 | 1941(昭和16)年12月01日 | |
誠文堂新光社 | ||
○増補左千夫歌集 斎藤茂吉・土屋文明 | 1945(昭和20)年02月20日17刷 | |
岩波文庫 岩波書店 | ||
○山武地方誌 | 1955(昭和30)年06月20日 | |
山武郡町村会事務局 同会 | ||
○『釣の風景』大橋青湖 | 1958(昭和33)年09月10日 | |
スポーツ新書82 ベースボール・マガジン社 | ||
○『伊藤左千夫』土屋文明 | 1962(昭和37)年07月30日 | |
白玉書房 | ||
○角川日本地名大辞典 12 千葉県 | 1984(昭和59)年03月08日 | |
同編纂委員会 株式会社角川書店 |