歴 史 | 徳川家康の時代、1604(慶長09)年起工。10年を要し1614(慶長19)年完成。
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| 時の代官島田伊伯が、周辺耕地の潅漑を憂い、巾20間・長さ120間の堤を築き潅漑用水とした。
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| もとの一帯は養安寺村の田畑27町余りで、養安寺村が用地を提供し、池敷地27町余り(石高220石余)と
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| 上流部には貯水涵養用の芝地が設けられた。
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| 水下9ケ村が共同して、山口村より代替地9町余り(石高146石余)を購入し提出したため、雄蛇ケ池は
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| 養安寺村ほか9ケ村との共同支配地となった。 |
| 島田重次(伊伯)は、徳川家康・秀忠の旗本で、伊奈忠次に治水を学び、代官として雄蛇ケ池築造を |
| 指揮し完成させた。 |
| 墓所は本貫地・武蔵国入間郡坂戸(現埼玉県坂戸市)に建立した菩提寺長渓山永源寺(曹洞宗)と云う |
| (※伊奈忠次は「福岡堰の項参照」)。 |
| 1882(明治15)年の大日本帝国参謀本部陸軍部測量局の、迅速測量図「東金町」に、雄蛇ケ池が見える。
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| 当時は養安寺谷津が南迄のびていた(現在の堰堤・駐車場・水田一帯)ことがわかる。
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| 1894(明治27)年11月序『千葉縣地誌』に「雄蛇ケ池及び沓掛澤は共に灌漑の便あり。」とあって |
| (20pp)、池が現用されていることがわかる。 |
| 1937(昭和12)年農林省補助のもと、県営水利工事(堤防の全面的改築・貯水量増加)が施工され、水面積
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| 潅漑区域(710ha)とも現在の姿になった(他説は、昭和09年着手・同17年完成)。
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| さらに他説(山武地方誌)では、1934(昭和09)年から1941(昭和16)年頃までの8年間の歳月を
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| 費やし・・と記載され、山武地方誌に従い、全面的改修要点を引用すれば以下となる。
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| ●堤塘標高18.66米とし、旧貯水位15.66米を17.01米まで引き上げる。
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| ●取入樋管及び余水吐の新設
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| ●貯水位の引き上げにより上流養安寺部落への流出水の問題については旧満水面までを溜池へ、それ以上の
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| 増水は排水隧道により山口地先へ放水。なお貯水位の引き上げによる増加水の養安寺地区への逆流防止
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| のため、上流に堤塘構築。
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| ●堤塘下部2.5〜12.0米、延長鉄失枚168.0米を押入する。(よしさん注:鉄矢板の誤植か)
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| ●流域を拡張するため、旧丘山村岡作地先に井堰を設定して降水時の流出水を隧道又はサイホンにより
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| 溜池に導水する。
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| ●東金幹線用水路を新設し、増水分の引水を行う。
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| ●以上の改修により旧来の満水量393,080屯を667,644屯に増加する。
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| なお、同誌にまとめられた雄蛇ケ池の現況を示せば、
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| 堤高5.79m・堤長283.4m・集水面積100.7町歩・貯水量667,644m3・有効水量540,790m3・
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| 灌漑面積804.7町歩、である。
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| 堤体形式は前刃金、余水吐は側溝越流式。堤高6.20m、堤頂長287.00m、堤頂幅3.40m。
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| 有効貯水量656,000m3、満水時湖面標高は17.12m、
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| 管理は、東金土地改良事務所(千葉県農林部耕地第2課)である。
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| 1980(昭和55)年に堰堤工事のため水抜きされ、1982(昭和57)年頃はBASS釣りも低調であった。
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| 最近ではポンプ修理のため、1992(平成04)年01〜02月に水抜きされたが、堰堤付近は50cm程度の
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| 水深を保っていた(上記掲載写真)。
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| 池への流入は雨水と地下水である。流末は北幸谷川を経て、真亀川(流路延長9.5km,流域面積70.8km2)
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| に入り太平洋に注ぐ。
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| 湖岸線は岬・入り江等の出入りが多く、新緑・桜・紅葉が楽しめる。
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| 池の周囲は4kmほどで、全周に遊歩道が整備され、東屋も3ケ所にある。
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| 湖畔には島田伊伯が水神として祭祀され、農民歌人小幡重雄(1903-1972)の歌碑
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| 「十五時間田打ちを励み帰る娘の笠をはづして肩のやさしさ」が建つ。
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| 田打ちとは、田植え以前に耕作しやすいよう田の土を打ち返すことであり、千葉で15時間の明るさは理科年表
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| によれば、06月10日の頃(日出04:23/日入18:54)である。
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| 日出時刻より以前に明るくなり、日入時刻より後まで明るいことは、釣り人なら知っていることで、試しに福永氏の
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| 労作・「永年実用 日本列島薄明時刻地図」から、東金市における06月10日の夜明を計算すると03:45となり、
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| 日暮れは19:31と読み取れる。昔は田植えの時期も遅かったから、小幡重雄の詠んだこの娘も、06月の朝
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| 4時頃から田に出て、晩の7時頃まで働いていたのだなと納得し「お疲れ様でした」と、労いの声を掛けたくなる。
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| 真亀川のヘラブナ釣りは大崎紀夫人『へらぶな釣り』「真亀川・千葉県」に、紹介されている。 |
| 雄蛇ケ池から東金方面へ向い、東金市役所・ショッピングセンターサンピアに隣接し、「柚子羊羹」で有名な |
| 湖月堂の公園通り店(電話0475-52-1846 東金市東岩崎5-10)があり、お土産は柚子羊羹・柚子ジュースが |
| よしさんの推奨で、うれしいことに自宅からの「お取り寄せ」もできる。 |