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雄蛇ケ池湖沼図 雄蛇ケ池位置図
「雄蛇ケ池・続編」
整理番号0001−1
名   称雄蛇ケ池(おんじゃがいけ)Onjyaga-ike
所 在 地千葉県東金市田中地先
分   類ため池(潅漑用・防火用水)
別   称雄蛇池(ヲンジャイケ)、雄蛇が池、雄蛇ガ池、男蛇ガ池、雄蛇湖、房総の十和田湖
アクセスJR東金線東金駅より、西へ約3Km
千葉・東金道路を下って、終点から国道128号線へ入り“小野”
信号のつぎの信号(右ト)を右折。集落の中ほど(右ト)を再度
右折、直進すれば、右に堰堤が見える。
満水時湛水面積21.70ha
満水時最大水深4.61m
流域面積7.46平方キロ
完成年月1614(慶長19)年
BASS生息確認年月1971(昭和46)年
ボート店塚本ボート (電話04755−2−2967)
2003年08月28日撮影
雄蛇ケ池は、大谷津(左)も小谷津(右)も、
リリーパッドで埋めつくされている
2003年08月28日(ソウギョ放流前)
2012年07月15日撮影
雄蛇ケ池は、大谷津(左)も小谷津(右)も、
水生植物なし
2012年07月15日(ソウギョ放流後)水生植物なし
状 況雄蛇ケ池は、環境が激変した。
本稿も当初発表(1996年)から、7年が経過したので続編として、ほぼ全域がベジテーションに覆われた
現状(2003年〜2006年現在)を取材した。
大谷津も小谷津も、リリーパッドで埋めつくされ、往年(1971年頃)のリリーパッドの楽園が復活している。
ボート店に聞くと、最近はBASS狙いの釣り人が圧倒的で、ヘラブナ狙いの釣り人はマレらしい。
2003年08月28日撮影
堰堤前はヒシモとオオカナダモのジャングル、右後方は取水口 2008年03月26日撮影
水面と水中の、水生植物は壊滅した
2003年08月28日(ソウギョ放流前)と、2008年03月26日(ソウギョ放流後)
さもありなん、一見してオープンな水面と思えても、近寄って見ると水面直下にはオオカナダモが大繁殖し、
これでは、エサ打ちも、ままならない。
ワンド(谷津)は蓮、やや沖に菱藻が密生、他のエリアにはウキクサとオオカナダモが大繁殖となれば、ヘラブナ釣りはむずかしい。
ボートもエレキは不向きで(すぐに藻がからまる)、水面も実質せまくなったことだし、手漕ぎが最適だろう。
オオカナダモは、輪生葉の数が3〜6枚(通常4枚)とされるが、雄蛇ケ池のオオカナダモも、4枚である。
2003年08月28日撮影
雄蛇ケ池堰堤から、このサイズは楽勝(と思う)
2003年08月28日(ソウギョ放流前)
ベジテーションが豊富だから、水色は驚くほどクリアーで、アクアリウムを見るようにブルーギル等が観察できる。
BASSは、平日の堰堤なら30〜40cm級も、充分釣れて楽しめる。
ただし、藻に対する対策・作戦を事前に考えておくことが肝要で、甘く見ると攻めあぐねノーフィッシュに終わるだろう。
細いラインと軽い仕掛けの、タテの釣りがセオリーと見る。
2003年08月28日撮影
桟橋周辺に、ガガブタ・マツモ・ヒシが大繁殖しています 2008年03月26日撮影
絶滅危惧U類ガガブタは壊滅状態
2003年08月28日(ソウギョ放流前)と、2008年03月26日(ソウギョ放流後)
塚本ボート桟橋付近も、水面の菱藻、ガガブタ、水中のオオカナダモ、マツバモの繁殖で、ジャングル状態だ。
ボートは、1人¥2700、2人¥3500(入漁料不要)。エレキのトランザム取付は相変わらず、NGなので、ハンドコンなら
ボート店に備えてあるアテ板を使用して、船体横に取付ることになる。
2003年08月28日撮影
養安寺谷津も蓮でいっぱい 2009年09月17日撮影
蓮は壊滅状態
2003年08月28日(ソウギョ放流前)と、2009年09月17日(ソウギョ放流後)
「奥の松田谷津や写真の養安寺谷津も蓮でいっぱい、舟はとても入れないから、攻めきれない。
力まかせに進入しても、魚に察知され、キャストするより前に逃げられるのがオチ」であった。
 
ところが、「2006年02月頃、雄蛇ケ池に再びソウギョが放流され(本編参照)、
2007年に水生植物の減少が顕著になり」(雄蛇ケ池バスフィッシングガイド)、
2007年秋季までに、水生植物帯の約70%程度が消滅し、生態系に最大級の影響を与えた。
水生植物はソウギョに食害され、水中に排出されたソウギョの糞塊は微生物による分解変質を経て、
植物プランクトンに利用されやすい中間体となり、被植面積縮小による高水温と底泥巻上げを併せ、
ミクロキスティス・アナベナ・オシラトリア等の藍藻類大繁殖を助長し、重度で複合したアオコ現象を
毎年反復し招来させていることが、明らかになった(よしさん2006〜2009)。
雄蛇ケ池無料駐車場と水洗トイレ
無料駐車場と水洗トイレは、堰堤付近に完備されている。焚き火や花火は禁止(アタリマエ)だ。
駐車場や池一周遊歩道は、東金市・東金市観光協会・東金警察署により、夜間(18:00〜08:00)閉鎖され、
出入りはできない構造となった。
雄蛇ケ池へのBASS移植経過を知るための、参考文献を以下に追記しておこう。
雄蛇ケ池のオオマリコケムシについては、織田秀実(1982)に詳細報告がある。
環境省レッドデータブックで、絶滅危惧T類に指定された、雄蛇ケ池のイチョウウキゴケについては、
よしさん(2008)が報告している。

もっと知りたい貴女に
【参考文献】
よしさん架蔵書 Reference Books.  
○日本水生植物図鑑 大滝末男・石戸 忠 1980(昭和55)年07月05日初版
北隆館
織田秀実(1982):
「雄蛇ケ池のオジャッシー それはオオマリコケムシ」
遺伝(36-5)46-55pp.
遺伝学普及会
○新 ブラックバスのすべて1997(平成09)年07月10日第15刷
株式会社週刊釣りサンデー
○ブラックバス移植史 金子陽春他 1998(平成10)年02月01日第1刷
つり人ノベルズ 株式会社つり人社
○雄蛇ケ池バスフィッシングガイド 2006(平成18)年06月
つかじー
よしさん(2012):徳川家康の東金鶴御成及び明治時代の雄蛇ケ池猟區考察 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」
よしさん(2012):千葉県雄蛇ケ池における藍藻類の変遷(2006〜2012) 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」
よしさん(2012):古典籍で味わう雄蛇ケ池のハンゲショウ(三白草) 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」
よしさん(2015):ソウギョはクヌギも食べている【動画追加版】 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」
よしさん(2015):ソウギョはクヌギも食べている(その2)【動画追加版】 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」

「雄蛇ケ池のプランクトン」「明治時代の雄蛇ケ池周辺地形図」は 『亀山湖牛久沼ワカサギ情報』「ふ化放流ノート」でご覧ください
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2003年09月01日発表
2005年09月19日一部修正
2006年09月05日一部追加
2006年11月22日一部追加
2008年03月24日本文&参考文献追記
2008年04月09日本文&参考文献追記
2008年06月08日湖沼図追記
2009年09月17日本文修正&写真追加
2011年09月16日リンク先URL変更
2012年08月20日写真追加
2015年08月13日リンク先URL変更  Release.

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