|
| 0093 |
| 支笏湖(しこつこ)lake-shikotsu. |
---|---|
| 北海道千歳市 |
1地形図 | 樽前山1〜4 |
分 類 | カルデラ湖 |
別 称 | なし |
|
JR千歳線千歳駅より、西へ25km。 新千歳空港から国道36号線に入り、北西進。 千歳川を越えて、JR千歳駅前信号(左ト)を左折西進。 道路案内標識が充分なので、迷う心配はない。 |
---|---|
| 78.76km2 |
| 363.0m |
| 20,900,000千m3(湖体積) |
| 222.69km2 |
| 原型は往古 |
生息確認年月 | 2002(平成14)年07月23日未確認 2012(平成24)年01月23日&02月03日未確認 |
|
有料駐車場(乗用車:¥410)と、貸しボート・売店は湖畔にある。 トイレは土産物店脇より湖畔の山線鉄橋脇が静かだろう。 貸しボートはモラップ、幌美内にもある。 |
Special Feature | 湖面標高248mに位置する、カルデラ湖。 |
|
札幌と新千歳空港から近い、トラウト・フィッシャーマンの天国。 水色は、クリアー。水面はオープン。 透明度は摩周湖・倶多楽湖についで、年平均19.5mの貧栄養湖。湖岸周囲42km。 湖面積は全国8位、水深は田沢湖についで全国2位である。 冬季も凍結しない国内最北の不凍湖として有名だが、最近は1946(昭和21)年2月、 1978(昭和53)年2月、2001(平成13)年2月に全面凍結した。 |
|
ワンド・砂浜・ゴロタ石・シャロー・石貼り護岸・テトラポッド護岸・岩場・水中倒木・水中大岩 ・モラップ山西側の急深・藻等のストラクチャーがある。 ボートからの餌釣りやトローリング、またはインレット付近でのフライやルアーキャスティングが主流。 ボトムは、岩・礫・砂・泥からなる。 夏季はキャンプ&フィッシングで賑わう。 南岸には湖畔の道路面と湖水までの比高が高い箇所が多く、陸釣りなら西岸の美笛周辺、 北岸の幌美内周辺、東岸の国道453号線沿い(旧有料道路下)が良いだろう。 |
|
漁業権設定がなく、不凍湖だから一年中釣りが可能だが(寒さも厳しいので)実質的には、 5月〜10月がシーズンと考えよう。風には弱い(大波がたつ)。 ヒメマス(チップ)にだけ適用される漁業調整規則は、次の通りである。 @解禁は、06月01日〜08月31日 A夜間は全面禁漁 B禁漁区の厳守 |
|
支笏湖のインレット(流入部)に、美笛川、ニナル川、フレナイ川、オコタンペ川等がある。 流末は東岸から、千歳川(幹川流路延長108km・流域面積1,246km2)に入り、江別市で 流域面積国内第2位の石狩川(流路延長268km・流域面積14,330.0km2)に合流し、 石狩湾で日本海に注ぐ。 |
history. | シコツはシ(大きな)・コツ(くぼ地・穴)の意味とされる。 |
|
古・支笏カルデラは、現在の1.5倍程度の壮大な規模であったと想像され、 そこに水を貯めれば、琵琶湖を凌ぐ日本一の貯水容量であったろう。 古・支笏カルデラ形成後、カルデラの縁、北側に恵庭岳が、南側に樽前山が 噴出し、円形のカルデラが南北から歪められ、現在のマユ型形状となる。 |
|
支笏湖に入った水は、55.06年滞留の後、流出するという。 その計算は、(流域面積×年間平均降水量)/(湖体積)であり、支笏湖の例では、 (222,690,000m2×1,710mm)/(20,900,000,000m3)=55となる。 ここでいう湖体積は、人造湖の場合なら有効貯水容量と考えて良い。 湖畔に立ち、この水が55年前の水かと思えば、不思議な気がする。 付近は「火山・湖・温泉」に特徴を持ち、国により1949(昭和24)年05月16日 「支笏洞爺国立公園(986.7km2)」に指定されている。 支笏湖温泉バスターミナル近くに、環境省の支笏湖ビジターセンター(電話0123-25-2404)があり、 ミュージアム好きな人は訪ねたい(年末年始と冬期火曜日休館・無料)。 |
|
支笏湖には従来、アメマス、カジカが生息しており、放流種としてヒメマス(1893年阿寒湖より移植)、 ニジマス、イトウ、カワマス、ブラウントラウト、ウグイ、フナ、コイ、ウキゴリ、トゲウオ、ドジョウ、 ハナカジカ、ヨシノボリがいる。 特にアメマス(1m)・ニジマス(90cm・9kg)やブラウントラウト(80cm)の大型が釣れ、 釣り人の夢は膨らむばかりだ。 また千歳川上流には、アメマス、ニジマス、サクラマス(ヤマメ降海型)、ブラウントラウト、フクドジョウ、 中流ではニジマス、ウグイ、コイ、ウキゴリ、モツゴ、ナマズ、カムルチー(雷魚)がいて良い釣り場である。 川のサケは釣獲禁止です、念のため。 |
|
支笏湖はヒメマスの種苗湖として知られ、1942(昭和17)年の『釣ところどころ』 「支笏湖の姫鱒」(228pp)「千歳川の山女魚」(225pp)に描かれ、1949(昭和24) 年再刊の『釣魚手帖』では支笏湖の魚類に、イワナ・ワカサギも挙げられている。 支笏湖のヒメマス釣りは『生ぐさ太公望』にも、書かれている(政治信条は飛ばして読めばよい)。 最近は支笏湖や千歳川にも、大物のイトウがいて、たまに釣り人を驚かせているらしい。 60cmに成長するのに7年掛かるとされるイトウに、フィールドで出会いがなければ、 「千歳・サケのふるさと館」(電話0123-42-3001)や、足を伸ばして「おたる水族館」 (電話0134-33-1400)で、大物にお目にかかれる。 イトウ釣りの気分を、インドアーで味わいたい向きには、名著「湿原のカムイ−幻のイトウを追って」 (佐々木栄松・1980年・二見書房)があるが、入手困難のため、エッセンスが収録されている 「日本の釣り文学・第3巻」を薦めたい。 |
|
千歳川中流で観光客の少ない公共温泉なら、 長沼町の「ながぬま温泉」(電話01238-8-2408 ナトリウム−塩化物強塩泉)、 その隣・由仁町の「ユンニの湯」(電話01238-3-3800 ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉)が、 よしさんのお勧め。 おたる水族館・小樽市街観光等に、小樽市住宅街の古い民家をリフォームした、 少人数の宿「旅人宿 いちえ」(電話0134-33-6481 小樽市赤岩1丁目1-19)が、よしさん推奨。 女性・一人旅・ご家族連れもアットホームな雰囲気でくつろげる。 |
Reference Books. | ||
○釣ところどころ 益田 甫 | 1942(昭和17)年12月15日 | |
水産社 | ||
○釣魚手帖 松崎明治 | 1949(昭和24)年01月25日 | |
丘書房 | ||
○ルアー王国 北海道 鍛治 滋 | 1973(昭和48)年05月20日 | |
株式会社水交社 | ||
○生ぐさ太公望 児玉誉士夫 | 1973(昭和50)年11月10日初版 | |
廣済堂出版株式会社 | ||
○北海道の淡水魚 稗田一俊 | 1984(昭和59)年06月28日 | |
北海道新聞社 | ||
○北海道の湖沼 | 1990(平成02)年03月 | |
北海道公害防止研究所 編発行 | ||
○北海道の湖 鍛治英介編 | 1990(平成02)年11月15日初版 | |
株式会社つり人社 北海道分室 | ||
○まぼろしの魚 (集成日本の釣り文学・第3巻) 伊藤桂一・高橋治・森秀人編 | 1995(平成02)年10月10日第1刷 | |
株式会社作品社 | ||
○北海道の湖21 | 1997(平成09)年06月20日第3刷 | |
株式会社つり人社 | ||
○北海道の湖沼(改訂版) | 2005(平成17)年03月 | |
北海道環境科学研究センター 編発行 |