シークレットポイント[亀山湖付録]
 
よしさんが、古語の現代語訳に、初挑戦。
ごきげん(郷・語源・起源)へ、ようこそ
相川資料館 相川千代治館長監修

<小櫃川>
鹿津。加都(カツ)。あてて読んで、於伊都(オイツ)と言う。
都はもと津と表記したと推定されるが、今は都。
■鹿津は、やめて、勝村が存在すると、南総郡郷考にあります。
■上総町村誌も、これに従っています。
■元和5年水帳では、鹿津と表記しています。しかし、元禄中頃、
 今の名に改められています。
 勝村は、望陀郷に属していますが、古い集落ではありません。
 鹿津は、おそらく老津でしょう。
 あてて読んで、於伊都(オイツ)と言うべきです。
 また、鹿の字は、あるいはの字とも考えられます。
 広義に考えると、笈は書物を入れて背負う箱です。
 和名では於比(オヒ)、すなわち負うの意味です。
 は、竹製の器で、背負うものです。
 津は於比都(オヒツ)と呼ぶもの。
■中村国香には、本郡は久保田・倉波・木更津等の海辺の地を
 除いて、総称して小櫃谷(オビツサク)と言い、村170余りが含まれ
 ること。水があること。小櫃川と呼ばれること、が書かれています。
 小櫃は読んで乎比都(ヲヒツ)となる。津と発音が似ています。
■広辞苑では、笈(きゅう)とは、行脚僧(あんぎゃそう)・修験者
 (しゅげんじゃ)などが、旅の際、物を入れ背負って持ち運ぶ、
 竹で編んだ箱。おい。とあります。
 また、岩波国語辞典の、おい(おひ)【笈(×)】の項には、
 「修験者や行脚僧などが仏具・衣類・食器などを入れて背負う、
 あしつきの箱。きゅう。」とあります。
 さらに、しか【鹿(×)】の項には、
▽古くは「しし」または「か」と言い、特に雌を「めか」と言うのに対し、
 雄を「しか」と言った。とあります。
 
■「よしさん」の、私見
 鹿津(カツ)の「鹿」を「カ」と言ったことは、分かりました。
 読みが転じて、(オイ)津と言われた時代があったのでしょう。
 後年、オイツ・オヒツ・ヲヒツのオイは笈となり、笈を負って来た
 はずの人間も、修験者や行脚僧に比べて、より聞こえの良い
 武士へと変わって、伝承されたようです。
ごきげん(郷・語源・起源)
 
<亀山郷>
■鎌倉円覚寺弘安6年の文書に、亀山郷と記述があります。
 亀山神社は滝原村の下滝にある。
 日本武尊を奉り、本郷64村の鎮守であり、郷名の起源となる。
<川俣>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、元禄の頃、
 月毛村は本村の枝郷であったが、後に一村となったこと。
 明治10月3日、押込・月毛2村を廃止して本村に合併したとあります。
<豊田>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、嘉永5年
 5月、水利の道を拓き荒野を水田となし、以来豊熟となったため、
 それが豊田の起源だとあります。
 明治10年4月、菅間田・野中2村を合併。
<黄和田畑>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、年月は
 不詳だが蔵玉村より分かれる、とあります。元禄の頃、枝郷で
 あったが、後に一村となりました。
<草川原>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、元禄・宝永・
 正徳の水帳、どれも草河原と書く、後に改めるとあります。
<蔵玉>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、地元に
 伝わるところでは、大昔、黄和田畑村と一村であったが、年月不詳
 分かれて二村となり、黒玉と書いたとあります。
 後、蔵玉と改められる。
 明治7年、門生村を廃止して、本村に合併した。
<折木沢>
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、折木沢の名があると、書かれて
 います。
<笹>
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、笹の名があると、書かれています。
<香木原>
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、香木原の名があると、書かれて
 います。
<釜生>
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、釜生の名があると、書かれて
 います。
<坂畑>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、やや昔、
 亀山郷と称していたと、あります。
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、坂畑の名があると、書かれて
 います。
<藤林>
■上総町邨誌(小沢治郎左衛門・明治22年7月)には、やや昔、
 畔蒜荘亀山郷と称していたと、あります。
■十二郡の郡誌に、寛文印知集に、藤林の名があると、書かれて
 います。

[参考文献]
○千葉県地名変遷総覧(第二版)1972(昭和47)年5月10日
千葉県立中央図書館・編集
千葉県郷土資料刊行会・発行
○広辞苑(第二版補訂版)  新村 出  1979(昭和54)年10月15日4刷
岩波書店

1997年10月01日
2005年09月19日一部修正発表
http://lake-champ.com/ 亀山湖・本編へ Copyright by yoshisan.