『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律』に基づく、
特定外来生物の防除を進めるに当たって、第1回オオクチバス等防除推進検討会が下記のとおり開催されました。
日時:2005(平成17)年05月17日(火)13:30〜16:30
場所:経済産業省別館827号会議室(千代田区霞が関1−3−1)
議題:オオクチバス等の防除について
★出席委員
小林 光:水生生物保全研究会代表理事(有限責任中間法人)
瀬能 宏:神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員
高橋清孝:NPO法人シナイモツゴ郷の会副理事長
多紀保彦:自然環境研究センター理事長
竹門康弘:京都大学防災研究所水資源環境研究センター助教授
中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
★環境省・他
小野寺浩:自然環境局長
名執芳博:自然環境局野生生物課長
上杉哲郎:自然環境局野生生物課企画官
堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐
★会議内容(1)オオクチバス等の防除に係る関係団体ヒアリング(1団体10分間)
★(1)−1 日本釣振興会・井上専務理事
防除水域から、特定の水域(適用除外の4湖および管理釣り場)へ魚を移すような、釣り人が協力できる防除計画で
あってほしい。それに日本釣振興会は協力して行きたい。
「釣り禁止ではないこと」「キャッチ&リリース禁止ではないこと」の2点を、防除計画の中に明記して頂きたい。
★(1)−2 全日本釣り団体協議会・小島事務局長
絶滅を危惧される貴重魚種生息地での「防除指定地域」と、「その他の場所」をわけて考え、状況に応じて実行可能な方法で、
全体として減をはかることが、防除の実効をあげる上で重要な課題であると考えます。
一方で、オオクチバス小グループ会合が開催された所以である、バス等釣り愛好者に、いかにして法の主旨を理解させ、
周知徹底せしめるかが、大きな課題となってきます。これらの人々が過去に認識してきた価値観の改訂を含め、バス等愛好者の
心情的な部分にも、理解と配慮を欠かすことができません。同様に、バス等によって生計を立ててきた人々へも配慮した柔軟な
対応も必要です。このことが防除実行上でのキーポイントになると思われます。
すでに全国各地から、「バス等を有効利用して秩序形成に着手したい」とした請願書等が提出されていると聞いています。
また、他の多くの地域においても、環境協力金等の名目による有効利用が実施されてきています。
(意見全文は全日本釣り団体協議会ホームページをご覧下さい)
★(1)−3 任意団体・自然を考える釣り人の会・事務局吉田氏
自然を考える釣り人の会は、全ての釣り人を代表する会で、在来種の釣りを推奨します。
オオクチバス等の密放流を発見したら、報奨金を授けるべきだ。
★(1)−4 全国内水面漁業協同組合連合会・橋本啓芳専務理事
漁協はオオクチバス等の駆除にあたり、自前の労力と自費を使えない。
駆除技術の確立も環境省等研究機関で開発して頂きたい。
★(1)−5 WWFジャパン・水野敏明自然保護室淡水生態系担当(琵琶湖博物館特別研究員)
自然観察会で採集したオオクチバスを、説明用に近くに移動運搬する場合の、環境省判断を示して頂きたい。
防除イベント用教材・パンフレット類の作成費用は環境省が支援(負担)してほしい。
★(1)−6 任意団体・生物多様性研究会・秋月岩魚代表
出席した日本釣振興会と全日本釣り団体協議会から、防除の費用を負担するという表明がなされないのは、
おかしいのではないか云々・・と、2団体への攻撃発言が続き
【委員より制止指示(ヒアリング関係団体への議論の場ではない旨)があり】
管理釣り場を認めない方向を要望したい、また適用除外4湖も徐々に廃止して頂きたい。
★会議内容(1)オオクチバス等の防除に係る関係団体ヒアリング・委員質疑
★小林 光:水生生物保全研究会代表理事
防除の協力について、日本釣振興会と全日本釣り団体協議会の考え方は?
★日本釣振興会・井上専務理事
適用除外4湖と管理釣り場を認める方向であるから、排除すべきところから排除し、適用除外4湖と管理釣り場へ移動させる
という考えです。
★中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
自然を考える釣り人の会は、全ての釣り人を代表する訳では、ないでしょう。
全国内水面漁業協同組合連合会の中でも、オオクチバス等を魚種認定したい漁協も、あるのではないか?
★全国内水面漁業協同組合連合会・橋本啓芳専務理事
商売になるなら、やりたいというところもある。
機会を見て、やりたいというアンケート結果もある。
全体としては、防除して行きたい。
★中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
全日本釣り団体協議会は、どの程度、釣り人の代表であると認識しているのか?
オオクチバス等の適用除外4湖と管理釣り場への移動はNGで、殺処分とすれば、どの程度防除に協力できるのか・できないのか?
★全日本釣り団体協議会・小島事務局長
一口に釣り人口1千万人と言われますが、当会は55,000人の会員の代弁者と認識しています。
移動させないで、殺すという目標は考えていません。
★竹門康弘:京都大学防災研究所水資源環境研究センター助教授
適用除外4湖以外の、河川・ため池について、どう考えているか?
★全国内水面漁業協同組合連合会・橋本啓芳専務理事
いわゆる棲み分けでは、保障がないと考えます。
★瀬能 宏:神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員
管理釣り場を始めたいという数を、日本釣振興会はどの程度と把握しているのか?
★中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
管理釣り場の数は、把握しているのか?
★全日本釣り団体協議会・小島事務局長
(資料は)あります。
★瀬能 宏:神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員
オオクチバス等を有効利用したい漁協は、どれ位あるのか?
★全国内水面漁業協同組合連合会・橋本啓芳専務理事
アンケートの中で、いくつかの漁協は、やりたいと言っています。
★会議内容(2)−1 オオクチバスに係る防除の公示
オオクチバスに係る防除の公示(素案・A4版3ページ)を、堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐が説明
★中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
移動の定義を、示して頂きたい。
★名執芳博:自然環境局野生生物課長
「その水域と隣接する湖岸道路の上まで、は運搬とは看做さない」「(河川の場合は)河岸の道路の上まで」
★小林 光:水生生物保全研究会代表理事
5年後、平成23年で防除が不十分だったら、どうするのか?
★堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐
防除の期間を更新し、防除の内容を見直します。
★会議内容(2)−2 オオクチバス等に係る防除の指針について
オオクチバス等に係る防除の指針のイメージ(骨子案・A4版6ページ)を、堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐が説明
★瀬能 宏:神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員
評価との関連で、モニタリング・事前に生息している数を、どのように把握するのか?
★堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐
マーキングし、放します。
★高橋清孝:NPO法人シナイモツゴ郷の会副理事長
1網当り何尾という評価方法もあります。
★中井克樹:琵琶湖博物館主任学芸員
公示と指針は、細かく、いつでも、修正できるのか?
★名執芳博:自然環境局野生生物課長
指針は、随時修正できます。公示は細かい修正が困難です。
★小林 光:水生生物保全研究会代表理事
防除の釣りを、どう見分けるのか?
★堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐
実施計画の中に記載されます。
★会議内容(2)−3 オオクチバス等防除モデル事業について
オオクチバス等防除モデル事業について(A4版1ページ)を、堀上 勝:自然環境局野生生物課長補佐が説明