[整理番号:0120]
平成20年度茨城県内水面漁業協同組合役職員会議は、2009年02月24日(火)〜25日(水)、茨城県・大洗町において開催された。
茨城県内13の内水面漁業協同組合と、講演者・茨城県漁政課・同漁場管理委員会・同内水面水産試験場並びに、主催の茨城県内水面漁業協同組合連合会と総勢48名が、
会場となった大洗鴎松亭に集った。
牛久沼漁業協同組合からは組合長以下よしさんも含め8名が出席した。
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開会・挨拶に続き、指導事項が2項あった。
指導事項(1)
「漁業協同組合定款付属書組合員資格審査規定例の制定の趣旨及び留意事項について」茨城県漁政課
指導事項(2)
「漁協等の指導監督等(信用事業及び共済事業のみに係るものを除く)に当たっての留意事項について」同漁政課
水産庁漁政部からの通達17ページと、事務ガイドライン抜粋20ページが配布され、茨城県漁政課により
懇切丁寧な指導がなされた。
●曰く、資格審査委員会の審査委員は、最小4名を設置すること
●曰く、漁業従事日数は、費用負担と採捕日誌により確認すること
●曰く、産卵場の整備作業は採捕ではなく、採捕日誌に記載できないこと
●曰く、業務報告書の書式は見本に従うこと

fig.01 茨城県漁政課の『指導事項』
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報告(1)『久慈川産アユの流下仔魚調査結果について』茨城県内水面水産試験場河川部金光 究技師
前々回(2007年02月)の「沿岸海面におけるアユ仔魚」、前回(2008年02月)の「久慈川におけるアユ仔魚の流下状況調査結果」
に続いて「久慈川産アユの流下仔魚調査結果について」を紹介された。
河口から遠い上流の産卵場でふ化したアユ仔魚は、海面に到達した時点で疲弊しており、アユ資源量を支える上で重要な元気ある仔魚は、
河口近くの支川に産する一群ではあるまいか、との興味深い話を伺った。
久慈川に早期に遡上するアユが不安定な原因の解明等は、今後の課題とされた。

fig.02 茨城県内水面水産試験場河川部金光 究技師の『久慈川産アユの流下仔魚調査結果について』
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報告(2)『牛久沼におけるふ化設備を用いたワカサギ増殖』牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
2006年に始まる「牛久沼ワカサギ増殖3ケ年計画」に基づく、茨城県内初のふ化設備建設導入と稼働状況を報告した。
併せて、ふ化に続く、初期餌料プランクトン調査・特別採捕による仔稚魚成長度調査・通年定期プランクトン調査等の
マイルストーン管理手法実例と、ワカサギ増殖における牛久沼の相対的位置確認並びに牛久沼の持つ自然の力と調和した今後の在りようを述べた。
レジメを受付で配布して頂いたものの、本番では時間も切迫し、用意した資料を充分に紹介できなかったことが、
残念である。
ともあれ、よしさんの報告が刺激になり、各単協の漁場に即した事例・研究を発表する先鞭になれば、うれしい。
会議での番組放映使用を快諾された「株式会社釣りビジョン」に感謝したい。

fig.03 牛久沼漁業協同組合顧問よしさんの『牛久沼におけるふ化設備を用いたワカサギ増殖』配布用レジメ
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さらに、茨城県内水面漁業協同組合連合会から、以下の連絡事項があった。
(1)霞ケ浦導水事業に関して
(2)雑魚釣り券について
(3)河川湖沼内の公共事業における補償問題の対応について
(4)水産業協同組合法施行60周年記念式典における功績者表彰について
霞ケ浦導水事業に関して、那珂川漁協君島恭一組合長より、多くの皆さんからの支持表明へのお礼の挨拶があり、
那珂川取水口建設工事差し止め仮処分請求の結審が04月28日であること、近く本審提訴したい旨、発言された(その後03月03日提訴と各紙報道)。
補償金をもらって(結果的には「国の」人為で)自然環境を悪化破壊することよりも、現在の環境資源を損なわず次世代に残すことを
選択した漁業者に、よしさんはエールを贈る。
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その他に、全日本釣り団体協議会傘下の茨城県釣りインストラクター連絡機構より、
漁協が実施する遊漁振興・環境保全活動への、協力申し出があった。
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実態にそぐわずトップダウンのゴリ押し部分や、古い体質そのままの話もあったが、
懇親会における出席者との情報交換等、よしさんには概ね有意義な2日間であった。
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