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茨城県牛久沼を舞台にした文学作品に、柴田哲孝『かっぱKAPPA』がある。
主人公がブラックバス釣り人で、
ハードボイルドなミステリー仕立てというのも、よしさん好みで嬉しい限りだ。
柴田哲孝『かっぱKAPPA』
2007年04月30日初刷,289pp,四六判,¥1700+税,
徳間書店
出版社の内容紹介は、こうである。
『ブラックバスを釣りに来た男が、上半身を引きちぎられた死体となって発見された。
「河童に喰われた」と証言する目撃者。まさか、そんなことが……!?
宿なしのルポライター、引退間際の老漁師、引き籠もりの少年と田舎刑事。
心に傷を持つ男たちが事件の真相に迫る感動の物語。
「ハードボイルドでありながら悪人が一人も登場しない。不思議な小説だ」
大藪春彦氏をうならせた幻の傑作が蘇る!』
一気に読了するのが惜しくなり、わざと中断して楽しみを先に延ばしたくなるほど、
良くこなれていて、安心して読み進められる危なげない記述は、著者の力量を証明しているようだ。
ブラックバス釣り人、牛久沼をホームレイクとする人、ミステリー好き、読むべき小説をお探しの諸兄に一読を勧めたい。
ただ、入手した『かっぱKAPPA』が、2007年04月30日初刷なら、
数ケ所は読み替えた方が良いかも知れない。
(01) |
21ページ「牛久署」
30ページ「つくば中央署」
36ページ「牛久署」 |
「牛久署」と統一されるのでは、ありませんか(不一致) |
(02) |
39ページ「右上半身欠損」と、
40ページ「右の肩や」は、矛盾します |
「左の肩や」の誤植では、ありませんか(誤植か) |
(03) |
55ページ「持子もつご」と、
103ページ「クチボソ」は、同一魚種です |
「モツゴ」と統一表記されては、いかがですか(混用) |
(04) |
116ページ「牛久沼の西、」 |
「牛久沼の東、」の誤植では、ありませんか(誤植か) |
(05) |
116ページ「平均水位二メートル」 |
「平均水深二メートル」の誤植では、ありませんか(誤植か) |
(06) |
124〜125ページ
「牛久第二小学校」の通学路に、
「西谷田川に架かる細見橋」は、ありません |
「この橋が学校までのちょうど中間地点である」という設定は、
事実と異なります(設定ミスか) |
Table.01 【読み替え箇所リスト】
もし、『かっぱKAPPA』を徳間文庫化するのなら、上述の「読み替え箇所」をクリアーした
完全版を希望したい。
本稿指摘は、2008年08月21日、株式会社徳間書店出版局編集5局文芸書籍編集部へ連絡済です。
内容に関する回答は、残念ながら未受領。
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