ブラッディー小池と屠殺省 the ministry of slaughter with bloody koike.
ODL・トーク Outdoor Life Talk
今回のテーマ
this time theme.
ブラッディー小池と屠殺省
the ministry of slaughter with bloody koike.
[整理番号:0096]

東京大学教授といえば、今日においても権威は大きいものと容易に想像がつく。
まだ学者の値打ちの高かった、明治〜大正時代の旧・東京帝国大学であってみれば、なおのことであろう。
1910(明治43)年、動物学者(日本動物学会会長)渡瀬庄三郎の勧めで、インドから29頭のジャワマングースを 沖縄本島と渡名喜島に導入。
1979(昭和54)年、沖縄から奄美大島にマングース30頭が何者かによって密放獣された。
1979(昭和54)年以前に、奄美大島にハブ駆除用ホンドイタチ2,363頭が移殖されたが、 イタチはハブに負け絶滅した歴史があるにもかかわらず。
沖縄はマングース拡散源となり、奄美大島は失敗の教訓を生かさず、性懲りもなく、ハブを駆除しようとした。
ハブを駆除するために天敵のマングースを放ったのは、大失敗であった。
マングースは猛毒のハブより、(おいしそうな)ウサギやニワトリを食うことを好んだからである。
マングースには、ウサギが天然記念物であるかは無関係で、ウサギはウサギに見えれば充分なのだ。
今度は、そのマングースを人間が駆除しだした。
この事例こそ、由緒も正しき、正調イタチゴッコというのだろう。

奄美大島の人口は約13万人である(名瀬市4万2千人弱、大島郡10町3村8万8千人弱、2004年現在)。
環境省実績によれば2000年〜2003年度に12,000頭、2004年度は2,524頭、 合わせて14,524頭が殺処分された。
初めは当初5年間で絶滅させる計画であったが、5年経過した現在、まだ3,000頭以上生息しているものと推定され、 絶滅には、なお10年間を要すと報道されている。
2005年度環境省予算は約1億円であり、マングースだけであと10億円掛かる単純計算になる。
10億円は、12人の従事者雇用費と1頭5,000円の報奨金に姿を変え地元に落ち、 それなりの経済効果を上げるだろう。
奄美大島にマングースを密放獣した人物を特定し、防除費用の負担をお願いしてはいかがなものか。

ここで言わねば、動物霊にたたられそうだ
人口の10%以上に相当する数のケモノが殺される街は、異様だ。
某法律・第二十八条に「国は、教育活動、広報活動等を通じて、特定外来生物の防除等に関し、国民の理解を深めるよう努めなければならない」と、ある。
義務教育課程の小学校・中学校の「総合的な学習の時間」を活用した、某大臣による特別授業では、 将来を担う子どもたちが、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止の重要性を正しく認識・理解し、 殺処分の実態を見せるため、某大臣を初めとし某省職員、NGO等が小中学校に赴き、(地球温暖化特別授業で使用した)パネルより迫力のある実物を使いながら、 おぞましい特別授業を実施する」のであろうか。
溺死のさせ方・断頭の方法・火あぶり・銃殺・絞殺・毒殺・ガス室・電気仕掛け、etc。

北アメリカ原産で、ペットとして持ち込まれたアライグマを、某大臣が率先垂範しナイフで刺殺している写真は、 教科書に採用されるのであろうか。
サルもシカも、哺乳類ともなれば、静かに殺されるわけではない。
阿鼻叫喚、鳴き、叫び、暴れ、引っ掻き、血を流し、泡をふき、痙攣し、脱糞する。
やがて血流の停止を察知した無数のダニが、体から這い出してくる。
それを正確に伝えれば伝えるほど、将来を担う子どもたちが、健全に育つのだろうか。
法は正義だからと、国家予算で継続的に大量殺戮を行うことが正当化され、 命の尊厳を教えられるのだろうか。

君津市愛宕にて
路上に轢死体となるものたちを、正視しなければならない
よしさんには、それが児童生徒への適切な教育とは思えない。
政治の範疇から逸脱している。
1次指定の37種類に加え、2次指定ではウシガエルを含む動植物29種類を候補リストに入れる方針を専門家は固めた、と聞く。
1917(大正6)年、東京帝国大学教授・渡瀬庄三郎の勧めで食用に輸入されたウシガエル(オス10匹・メス4匹)を、 現代の専門家(学者)は殺処分しようとしている。
3次指定以降の歯止めもない。
ある生物(ヒト)が、他の生物(指定種)を排除することは、人間のエゴ・おごりであり、そういう思考パターンしか 持合せていない人間の性(さが)、限りのない悲しさだ。
君津市山滝野にて
それでも、目をそらせてはならない
生態系を守る、自然を保護するといえば、耳ざわり良く、いかにも先進の気鋭と感じる人もおられよう。
しかし現実は、排除される種によかれとの配慮のない、一方的な殺戮である。
指定候補リストを作った専門家はスペシャリストであっても、ゼネラリストではない。
児童心理・精神科医の分野まで、カバーを期待できるメンバーはいないだろう。
多感な児童生徒・青少年の倫理観への影響にも、問題は広がる。
殺す防除の限界ではないのか。
Let's enjoy life to the full.
Updated.2005年07月01日発表
http://www.mmjp.or.jp/lake-champ  Back to ODL Page. Copyright by yoshisan.