胆嚢ロスト記念日 the day extract a gall bladder.
ODL・ト−ク Outdoor Life Talk
今回のテ−マ
this time theme.
胆嚢ロスト記念日
the day extract a gall bladder.
[整理番号:0089]

【変調は突然やってくるものと相場は決まっている】
7月初旬、未明03:00、急な腹痛。
熱帯夜のフトンの上でエビのように背を丸め、ウゥッとうめく。
「こりゃぁ、胃じゃぁないぞ」
「盲腸でもなさそうだし・・」
「腸にガスがたまったか」
這うようにトイレに行くが、何もでない。腹痛は続く。 痛む場所は特定できない。が、横隔膜のあたりが途方もなく痛い。 切リ傷などの外傷とは別種の、こらえきれぬ痛みが続く。 対処療法として痛み止めにバファリンを飲む。
この一撃は、響いた。
眠れもせず、寝床で息をひそめ、身を硬くして時間をかせぎ、 しのいだ。
それから何事もなく、平穏のうちに一週間が過ぎた某日未明03:00、急な腹痛。
「まただよぉぉ」
「ウゥッ」
念のためトイレに行き、バファリンを飲み、歯を食いしばって耐えた。額は脂汗でベットリ。
第2撃も、執拗に連続する激痛をともない、とてもよく効いた。

○邦大学医学部付属佐倉病院へ救急車で緊急搬送され、 血圧測定、腹部触診、腹部レントゲン撮影、採血、尿検査があり、 腎臓、尿路結石を疑われる。
しかし、泌尿器科○波先生により、
@血尿ではない
A尿に色がでている原因は、肝臓からのビリルビンが多いため
B背面からの腎臓超音波検査の結果、結石はレントゲンに映っていない
などにより泌尿器系疾患ではないとの見立て。
消化器センターで、腹部超音波検査(ゼリーを塗りベタベタ)が実施され、 ○田先生より、胆嚢結石と診断され、「即日入院・絶食点滴・除去手術1.5ケ月」 と宣告され、晴れて、よしさんに患者の証明がでた瞬間である。
「ああ良かった、これで原因も判ったから、もう安心」と急ぎ帰宅し、 主宰するホームページ「ザ・レイクチャンプ」に「入院のため、当分の間、更新できぬ旨」掲載。
病院間の事前照会・連絡で、自宅から近い、山○病院新館318号室の内科新患になり、 痛風・尿道(腎臓)結石と共に3大痛みとされる、胆石への挑戦が始まった。
ここでもまた、採血・腹部レントゲン撮影・腹部超音波検査・腹部CTスキャン検査 ・血圧測定・身長体重測定など実施。 腹部超音波検査時、胆嚢内の結石を黒白モニターで見せて頂くと、 7〜12mmφの結石10ケ程が確認できた(今はこういう時代なんですね)。

病室から眺める、亀山の空は遠かった
【2004年07月某日15:00〜16:30第1回オペ】
専門的には、 ERCP内視鏡的逆行性膵胆管造影、 内視鏡的十二指腸乳頭切開拡張術、 内視鏡的総胆管結石除去術、 というらしいが、要は胃カメラを胃を経由して十二指腸まで通し、そこから激痛の原因となっている 総胆管内の結石を除去するもの。
モニターで内視鏡先端と結石の位置を確認しつつ、内視鏡先端のナイフで結石を掻きだしにかかると、 麻酔なしのオペだから、診察台の上で「うっっ」と息が止まり、悶絶する。 さながら、昆虫採取の標本箱に、ピンで刺されたトンボのように。 内科の仕事はここまで。

【2004年07月某日09:00〜10:00】
山○病院副院長・外科部長伊○先生の診察を受け、 09月某日(水曜)の胆嚢切除オペ、入院は前日と決まる。
伊○先生、ゴマ塩の鬚などたくわえ、見かけは温和な紳士。 けれどこれだけの大病院の副院長職、しかも外科部長であれば鬼手仏心、やる時はやる人と見た。 診察はお見合い、患者も医者を見抜く力量がいるのだ。 命を預けるのに、信頼感は欠かせない。

あったかご飯に、ワカメの味噌汁、それに海苔の佃煮、それっきり。以上終わり。 発覚して以来この2ケ月、揚げもの、炒めもの、ドレッシング、すべてパス。 カレーライスはおろか、バターもパンも食べず、油と肉を絶ってきた。 よしさんは、トン(豚肉も油も)なしのトン汁の味を決して忘れまい。
「退院したら、ウナギを2人前食べたい」
「寿司屋で、大トロと中トロをいやというほど食べたい」
胆嚢は体の右にあり、左に胆管がでてゆくことを知り、胆嚢内の胆石を胆管に落とさぬよう、 眠る時はいつも右を下にして寝た。
それを言ったら、また、カフク看護婦に笑われた。

【大腸内視鏡検査体験記】
全身麻酔オペのための、事前検査は多い。
胃内視鏡検査・腎臓機能検査・腹部超音波検査・ 心臓超音波検査・腹部と胸部レントゲン撮影・肺活量検査に出血凝固試験と、至れりつくせり。
たとえば大腸内視鏡検査だ。
検査前日は病院支給の大腸内視鏡検査用検査食(ダルムスペース・リッチV カイゲン)を食べ、20:00に下剤(マグコロールP)服用。 さらに22:00には、別の下剤(センノサイド錠「ナカノ」淡橙色・12mg×2錠) を服用する。
よしさんは検査食に手をつけず、前日は「おモチ」を焼いて醤油を付けて食べた (腹持ちが良く、ケッコウでしたね)。

検査食は、娘のダイエット食になってしまった

08月某日08:30〜09:00
山○病院にて大腸内視鏡検査の説明及び下剤2000cc服用。 この下剤2000ccはキツイ、なかなか飲めるものじゃ、ありません。 何度もトイレに通うが、見本写真のように、腸内がなかなかキレイにならない。 同時受診の田中さんが飲み干すと、担当のカフク看護婦は顔色も変えず、
「田中さん、どうぞ」と、新たに2000ccを差し出す。
こりゃぁ、かなわん。
よしさんは下剤2000ccと口直しに持参したポカリスエット1000ccでパスした。 大腸は不随意筋でどうにもならないが、前夜と当日早朝に、できるだけ出しておくのがコツ。
お尻に小さく穴の開いた検査着になり、 左腕に点滴(腸の動きを抑える薬+麻酔薬)をし、肛門にジェルを塗り、 さて、消化器内科医長小○先生の大腸内視鏡検査開始。
違和感もなく内視鏡を挿入。最奥の大腸上流端に到着。後退しながら詳細観察。 数箇所で青色試薬を噴出させ、写真撮影。 大腸の出口に近い箇所で、1ケ所検体を採取。 大腸内をカラーモニターで見せて頂き、ガンやポリープのないこと をよしさんも確認した。
小○先生から、
「キレイですね」
「胆嚢切除手術には(この大腸なら)問題ありませんね」
と、お墨付きの言葉があり、ものの15分、無痛でスムーズに終了。

やれやれ、終ったかと検査室を出ると大腸に異変。
検査時注入したガスで大腸が膨張し、ミシミシと破裂しそうで痛く、歩けない。 病院のトイレに行くと大音響と共にガスが何度もでる(自分もアキレ驚くほどの大量さ)。 電車やバスを利用して外来の大腸内視鏡検査に行く方は、ガス抜きをしてから乗車するに限ります。
キワメツケの続編は、次回掲載予定です
Let's enjoy life to the full.
Updated.2004年12月01日発表
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