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古典・釣りの科学(檜山義夫・岩波文庫・初版は1969年)を読み返していると、
平均釣獲量の話がでてきた。
釣り人が1日かかって釣る魚の数を、その釣り場で釣る多くの釣り人一人当たりに
平均してだした数字で、単位は尾・人・日となる。
例えば、ハゼ釣りやワカサギ釣りなら100尾・人・日、コイなら0.3尾・人・日(つまり3日で1尾)、などとなりそうだ。
釣りの楽しさが、釣れた量にあるのなら、さらに楽しさを量であらわすなら、平均釣獲量
という考え方も分かるし、平均釣獲量が把握され、公表されている釣り場は信頼できるといえる(そんな釣り場、あったかなぁ)。
そこで亀山湖について考えてみた。
しかし、「釣り人が1日かかって釣った魚の数」を統計的に代表できるほど「多数の」バックデ−タがない。
これでは、厳密な意味の平均釣獲量の算出はできない。そこで、類似の指標を得ることを目的に、
「亀山湖のトーナメントにおける、最近の擬似平均釣獲量について」
を検討してみよう。
あるトーナメントに50人の釣り人が参加し、釣れた人(ウェイイン)が
40人いて、釣れなかった人が10人なら、40/50=0.8という指数が得られる。
もちろん全員が釣れば、1.0という指数になる。
平均釣獲量では何尾釣れたかが問題になるが、ここでは単に、釣れたか否かを
問う方法である。幸い、その種のバックデ−タ(N値)なら豊富にある。
釣りの楽しさが、1尾でも釣れたか否かにあるのなら、
この考え方も成立するし、擬似平均釣獲量(というより、オデコ率・ボウズ率か)が把握され、
公表されている釣り場もまた、信頼できるといえるだろう。
対象の釣り場は、亀山湖に限定されており、トーナメントは四季(01月〜12月)を通じて、土日と平日に開催され、参加者(釣り人)の上手・下手も
、すべて含まれるから、この指数はトーナメントに出場しないプライベート釣行の釣り人にも、あてはまる。
「ザ・レイクチャンプ」に公表された、2000年〜2003年の4年間に開催された主要トーナメント結果を
まとめれば、表−1のようになる。
表−1
☆表−1から、以下の解析ができる。
(1)どなたでも2000年に亀山湖へ10回(日)釣行したら、6.9回(日)釣れた(尾数は不問)。
(2)どなたでも2003年に亀山湖へ10回(日)釣行したら、7.0回(日)釣れた(尾数は不問)。
(3)または、2003年某日に亀山湖へ10人で釣行したら、7.0人が釣れた(尾数は不問)。
(4)2000年〜2003年の4年間の指数が、ほぼ横這い。したがって「1尾でも釣れたか否か」という「釣りの楽しさ」は、
最近4年間不変で維持・継続されている。
(5)同様に、楽しさのモトである資源(=魚)も、確保されている。
☆また、表−1の注意点は、次の通りである。
(1)集計は「1尾でも釣れたか否か」に主眼を置いており、「複数尾釣った」ことは無視されている。
(2)トーナメントは、開始・終了の時間制限があり、特に終了時刻は13:00頃と早い。一般の釣り人なら(季節により)
16:00〜17:30迄釣りができ、「1尾でも釣れたか否か」の確率は、さらに向上する。
(3)いわゆるオフシーズンも含めた通年平均値が示されている(自分の釣行日がシーズン中なら、釣れる確率は高まる)。
表−1作成に使用した個々のトーナメントデ−タ(N値)の出典詳細や、4年間の月別擬似平均釣獲量(指数の月別変化=どの月の
成績が良いか)などは、順次、「デ−タ・ブック」に発表したい。
今回は、「1尾でも釣れたか否か」を数値で追求し、亀山湖の「釣りの楽しさ」は続いていること、
並びに資源も確保されていることを確認した。