書斎の悲しみ sad my den.

ODL・ト−ク Outdoor Life Talk

今回のテ−マ
this time theme.
書斎の悲しみ
sad my den.
[整理番号:0076]

1 さらば図書館
図書館は年に数回、調べものに利用している。
☆自宅からでかけて行かなくてはならないこと
☆総花的だが調べたい(特異)分野が手薄なこと
☆その場でパソコンへの原稿入力ができないこと
☆BGMを聞きながら、タバコを喫いながら、持ち込み資料を同時に参照しながらなど、 「ながら」ができぬこと
☆休館日があることなどが「億劫」の原因となり、自然に図書館への足が遠のく傾向にある。

確認したいことは、たくさんあって、図書館通いとは反比例し、蔵書は増加を続ける。
6畳のスペースの壁面、床から天井までに収まったのは、昔の話。
とうとう別の6畳の壁面を占領し、床には本と資料が詰まったダンボール箱が、100箱 近く積まれるに至り、ゲストルーム予定地変じて、書庫兼よしさんの寝室となり果てている。
書庫兼寝室といえば聞こえはよいが、なぁに、実態は本のスキマで寝ている、という 嬉しくも悲しく、また(地震になれば)危険な実態に他ならない。


2 資料が高価で、入手困難な悲しみ

2−1 一般図書
市販されている(いた)一般図書は比較的安価な部類で、探せば手に入ることが多い。
ハウツーもの、エッセー、小説、ドキュメント、ガイドブックなどは、 新刊書店の店頭になくても版元の倉庫を探して頂いたり、刊行年代が近代なら精力的に 古書店を探せば何とかなる。
洋書(英語圏の釣り関係書)は、書名にたどりつき、めざす内容だろうと見当をつける までに、疲れるからボチボチにしている。

2−2 基本図書
辞書辞典・事典・図鑑・名簿・年鑑・地図類、これが意外に難関である。
それぞれ、ひとクセもふたクセもあるものばかり、基本図書が揃わぬ悲しみは大きい。
★例えば、「牧野植物図鑑・正続」牧野富太郎
手元に置きたいが、とても高価ですぐに買えない、単純な悲しみ。 しかし、植物を語るとき、なくてはならぬ基本図書なのだ。
★例えば、「釣りの英語活用辞典」水庭進・株式会社南雲堂・1986
新聞・雑誌・文献に実際に使用されている釣り特有の言いまわしを集成した労作で、 原文の用例中心は有用だが、今では入手困難、よしさん架蔵。
★例えば、「永年実用日本列島薄明時刻地図」福永彦又・サンライト・1974
地方出版(熊本)で発行部数が少なく、定価が高い(¥25,000)と3拍子そろっている が、ある月日の、任意の水場の(朝と夕の)薄明時刻が判る資料として一級品であり、 よしさんもやっとのことで入手した。

2−3 市史・調査報告書・年表・図会の類
書店で市販されておらず、宣伝もなされないが、これらの入手にもコツがあり、 出版元になりそうな地方自治体・図書館・文書館・ミュージアムをこまめに探して歩くとよい。 けれど、絶版となり、一次資料を手元に置けぬ深い悲しみを味わうこともまた多い。
★例えば、「南房総地域自然環境保全基礎調査報告書」南房総動植物調査団・千葉県自然保護課・1990
多数の専門家がかかわった一次資料で、地域を紹介するための必読書である。 こういう資料が県立中央博物館で¥3000で入手できるのは、ありがたいことだ。
★例えば、「君津市史」同編纂委員会・君津市・1990〜2001
市役所で販売しているので入手は簡単(品切れがあるかも知れない)。 史料集6巻・自然編1巻・金石文編1巻・民俗編1巻・通史1巻・別冊年表1巻の全巻を 揃えると、¥47,000と少々高価なのがネックだ。 よしさんも、発行のつど求め散財したが、手元に置いて、知り・確認し・考えるための 必携書目だと、信じている。
★例えば、「絵図」
近世の某村の水源(溜池・堰)・水路・水田の位置関係を知るには、古文書だけでなく、 絵図があれば得られる情報量は増える。 ただし、もともと作成されていない、入手したくとも売っていない、売っていたとしても、 とんでもなく高価で個人では手がでない、という難題を抱える。 いきおい、その時代の「水場」の状態まで踏み込んだ記述・紹介が困難になる悲しさ。

2−4 個人出版・自費出版物
もう「助けてくれ〜っ」という部類で、入手には最大級の困難がともなうことを覚悟する 必要がある。
★例えば、「キスキチ房総投げ歩記」佐久間順蔵・1980
自費出版で発行部数は500部、定価設定なし、著者に譲って頂きたい旨の手紙を書いて、 届いた返事は「売る気持ちがない・・」「なるべくご断念くださいますよう祈念しています」。 あらら、ガ〜ン。それでも著者のご好意により、お譲り頂けたのは幸運だった。
ちなみに、その後発売の「房総釣り歩き」佐久間順蔵・株式会社崙書房・1984も当然購入した。
★例えば、「五井漁業史」同編纂委員会・1988
自費出版で発行部数は1500部、定価設定なし、編纂委員会代表宅を即日訪問(急襲)し、実費 相当額でお譲り頂いた。

図書券なんていらないょ、書庫の建てられる書庫券ないかなぁ

3 書斎のひそかな悲しみのうち、最大のものは、
「今、必要になり探しているあの本、確かに購入し蔵書なのだが」、それがどこにあるのか判らない悲しみ。
トホホ。
Let's enjoy life to the full.
Updated.2003年11月01日発表
http://www.mmjp.or.jp/lake-champ  Back to ODL Page. Copyright by yoshisan.