朝食抜きで08:30に着き、廊下の長椅子で持参した文庫本を
読んでいると、呼びだされ、問診が始まった。
これは余裕で、すぐクリアー。
青いワンピース型使い捨て服をスッポリかぶり、粘性のあるピンク色した、うがい型
麻酔薬(キシロカインというそうだ)を口にいれ、約5分間うがいをするよう
指示があった。
椅子に腰掛け天井を向き、口をあけてガラガラ・ゴボゴボと、のどの奥で音をたてていたら
気分が悪くなり、ウッッ。
あやうく、麻酔薬を全部飲み込みそうになった。
なんじゃ、これは。
オェッ、と目の前のシンクに吐き出す。
「ご気分悪くなりましたか」などとナースがすり寄ってくるが、こちらは吐き気で
ムカツイテいる。
すでに唇も舌も感覚がない。
追い討ちをかけるように右肩へ、ブスリと注射が・・。
何でも消化管の運動をおさえる、ブスコパンという薬だとか。
こうなると気分もかなりブルー。
念のため血圧をチェックされ、いよいよベッドイン(色気ないネ)。
掛けるものがなく、横になるだけだから、正確にはベッドオンか。
横たわり、さらに壁を向いて、また下を向き、ベッドに寝たまま2回転せよと
リクエストが飛ぶ。
体の左側を下にした横向きでマウスピースをくわえ、その一部から胃カメラが差し込まれると、
ウェッ、となり、ゲボッ、とゲップがでる。
口は閉じられないのでヨダレはでる。
「今が一番苦しい時ですよ」「追加の麻酔がでます(胃カメラから噴射されるらしい)から
楽になりますよ」と聞こえたようだ。
が、こちらは初体験で仰天中。
鼻で深呼吸しようと思うが、こういう時に限って鼻が半分詰まっているようで、
ままならない。ヒャ〜ァ。
ナミダもでてきて、完全にパニック状態だ。
あげくに、体の上の方で自由になっていた右手を、誰かが押さえつけにかかったようだ。
ええぃ、離せ、ハナシテくれ〜ぃ、と(口はきけないので)心で叫ぶ。
「力を抜いて」と、声がしたようだが、幻かも知れない。
マウスピースをくわえ、吐き気と、ゲップと、ヨダレと、ナミダと、(鼻が詰まり)呼吸困難
の中で、なんでこんな目に遭うんじゃぁ、もうダメかぁ、アァー、ウゥー、ウメクのが精一杯。
釣られた魚の気分は、こんな感じだろうか。
えらく長時間にわたって、痛めつけられた(定量的には10分程度らしい)後、
突然、胃から空気が抜け、しぼんでゆく感覚があり、マウスピースも外され、やれやれ
これで終わりかと思っていたら、ノドから猛烈な吐き気がおそう。
ウワッ、タマラン。