釣られた魚の気分 I feel bad as if landed a fish.

ODL・ト−ク Outdoor Life Talk

今回のテ−マ
this time theme.
釣られた魚の気分
I feel bad as if landed a fish.
[整理番号:0074]

朝食抜きで08:30に着き、廊下の長椅子で持参した文庫本を 読んでいると、呼びだされ、問診が始まった。 これは余裕で、すぐクリアー。
青いワンピース型使い捨て服をスッポリかぶり、粘性のあるピンク色した、うがい型 麻酔薬(キシロカインというそうだ)を口にいれ、約5分間うがいをするよう 指示があった。

椅子に腰掛け天井を向き、口をあけてガラガラ・ゴボゴボと、のどの奥で音をたてていたら 気分が悪くなり、ウッッ。
あやうく、麻酔薬を全部飲み込みそうになった。
なんじゃ、これは。
オェッ、と目の前のシンクに吐き出す。
「ご気分悪くなりましたか」などとナースがすり寄ってくるが、こちらは吐き気で ムカツイテいる。
すでに唇も舌も感覚がない。

追い討ちをかけるように右肩へ、ブスリと注射が・・。
何でも消化管の運動をおさえる、ブスコパンという薬だとか。
こうなると気分もかなりブルー。
念のため血圧をチェックされ、いよいよベッドイン(色気ないネ)。
掛けるものがなく、横になるだけだから、正確にはベッドオンか。
横たわり、さらに壁を向いて、また下を向き、ベッドに寝たまま2回転せよと リクエストが飛ぶ。

体の左側を下にした横向きでマウスピースをくわえ、その一部から胃カメラが差し込まれると、 ウェッ、となり、ゲボッ、とゲップがでる。
口は閉じられないのでヨダレはでる。
「今が一番苦しい時ですよ」「追加の麻酔がでます(胃カメラから噴射されるらしい)から 楽になりますよ」と聞こえたようだ。

が、こちらは初体験で仰天中。
鼻で深呼吸しようと思うが、こういう時に限って鼻が半分詰まっているようで、 ままならない。ヒャ〜ァ。

ナミダもでてきて、完全にパニック状態だ。
あげくに、体の上の方で自由になっていた右手を、誰かが押さえつけにかかったようだ。
ええぃ、離せ、ハナシテくれ〜ぃ、と(口はきけないので)心で叫ぶ。
「力を抜いて」と、声がしたようだが、幻かも知れない。
マウスピースをくわえ、吐き気と、ゲップと、ヨダレと、ナミダと、(鼻が詰まり)呼吸困難 の中で、なんでこんな目に遭うんじゃぁ、もうダメかぁ、アァー、ウゥー、ウメクのが精一杯。
釣られた魚の気分は、こんな感じだろうか。

えらく長時間にわたって、痛めつけられた(定量的には10分程度らしい)後、 突然、胃から空気が抜け、しぼんでゆく感覚があり、マウスピースも外され、やれやれ これで終わりかと思っていたら、ノドから猛烈な吐き気がおそう。
ウワッ、タマラン。

健康は、ありがたい

ドクターは涼しい顔で「あっ、キレイですね」「これはポリープじゃなく、シワがよっていた だけですね」と写真を説明する。
神妙に「はいそうですか、ありがとう御座います」と退室したが、それじゃ、先月の集団検診って、 いったい何だったんだ。
ダレじゃ、内視鏡検査を考案したヤツは、と悪態つきつつ、ほうほうの体で脱出にかかれば、 会計という関門があり、ガチャガチャ、チィ〜ン、「はい、4780円でぇ〜す」ときた。

読んでいた文庫本が、開高健の「神とともに行け 弔辞大全U」だったから、 なおイケナかったのかなぁ。

☆ ☆
健康管理は自分の責任とはいうものの、えらい目にあった。
もとより、お金を払って難儀を経験する趣味は、よしさんには、ない。
胃がん集団検診のレントゲン撮影で、ひっかかり(前庭部後壁にポリープの疑い) 精密検査に行かなくても良いように、気をつけたいネ、ご同輩。

Let's enjoy life to the full.
Updated.2003年09月01日発表
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