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【ライタ−】
亀山湖を釣っていると、もちろんルア−フィッシングだが、時には
とんでもない獲物が掛かる。
例えば。
「馬の背」でクランクベイト・SHATTY2をロングキャスト。
ストップ&ゴ−でリトリ−ブしてくると、モヤッとした感触が伝わる。
ううん、はて。
さらに重みが加わり、何だ、何だと寄せるうち、水面にあらわれた
ものを凝視。
同一のルア−が2つある。
何だ、こりゃぁ。
SHATTY2がSHATTY2を釣ってきたのだ。
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ロッドにグッときて、重い。
左に逃げる。
しかし単調。
ウンッ。
揚げてみれば、ビクトリノックス(小型ナイフ)である。
ホンマカイナ。
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「神社下」を釣っている。
ミスキャストして、ルア−を外そうと岸辺に寄れば、ルア−の下に
ヒカリモノがある。
おやっ、と浅い水中の岩棚から手に取れば、クロムメッキのZIPPO。
すぐにヤスリをこすってみたけれど、有名な伝説のようには、着火しなかった。
深い水深に落ち、永らく眠っていたものが、湖の減水によって表層に
現れたものだろう。
よしさんの愛用はZIPPO。
クロムメッキ・ヘアライン仕上げの普及版、
クロムメッキ・梨地仕上げにBASSのメタル貼り付け、
ブラスにCHEVROLETマ−クのメタル貼り付け、銀メッキのTADY&KING、
また、漆塗り仕上げや漢字刻印モノ・・等々。
ZIPPOは種類がとても多く、せめて特定分野だけでもコレクションを
しようなどという大志を抱けば、破産することも夢ではない。
そういう恐ろしい世界に、興味はあっても、接近せず、もっぱら
廉価な実用品を手元に置いている。
買いもとめたり、プレゼントされたりの思い出が、それぞれのZIPPOに
詰まっている。
こういうレベルこそ、シアワセなのだと心得、目下の常用は、Marilyn。
赤い艶消しマット仕上げがお気に入り。
図柄・見かけは軟弱でも機能は別物、その昔、戦士に酷使され証明
された、筋金入りのヘビ−デュ−ティ−。
釣り場はもちろん、アウトドア−シ−ン全般に同行、各地を旅する。
モノあふるる時代だからこそ、信頼できる良い道具と暮らしたいものだ。
開高健に「書斎のダンヒル、戦場のジッポ」(生物としての静物・1984年
・集英社、または1994年・集英社文庫=か5−10=、等に収録)がある。
興味のある方は、ご一読あれ。
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