［整理番号：００６１］

謝辞（早期退職にあたって）

世間知らずの青二才を、よくぞここまで、面倒見てくれたものだ。

１９７０（昭和４５）年春、初任給が他社より￥１０００高いという、たったそれだけの理由で、

親類はおろか縁者さえ住んでいない関西の、神戸市に本社を置く、製鉄会社系の水処理

プラント・エンジニアリング会社に応募・入社したのである。

当時は米国人副社長がおり、会社は非上場。この３２年間、業績は右肩上がり、

大阪証券取引所２部上場も今は昔。

よしさんは入社以来、営業畑一筋。多くの経験をさせてもらった。怒鳴り、叱られた。

慰め、励まされた。一夜布団の中で泣いた。恨んだ。笑い、悲しみ、嘆き、また喜んだ。

コンクリ−トジャングルの中で、人間喜劇のただ中で、お給料を頂戴しつつ、楽しませ、

成長させて頂いた。

得た勲章は３つ。

■１案件２０億円級の大型プラントの受注。もちろん受注金額は会社初の快挙である。

その半年後、再び１案件２０億円級の大型プラントを受注し、僅差で自身と会社の持つ

受注金額レコ−ドを更新する誉れによくした。

■大患をわずらうこともなく、日々、ひたすら勤務し、勤続３０年表彰を頂戴した。

副賞のリフレッシュ休暇は家族４人で夏の沖縄に遊んだ。

■会社の利益ではなく、社会にどれほど貢献したかを基準に決定される、グル−プ会社内で

高名な、田宮賞（金賞）を頂いた。

ほんの少しの役割で受賞できたのは、ノミネ−ト者の慧眼に負うところ大である。

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なすべきことを成し、ある意味では目標が失われた。

場にいて、さらに１０年間輝き続けられるのか。引き際は誰に相談することもなく、己が決めよう。

スマ−トに、鮮やかに、惜しまれるうちが花。

お世話になった現職の皆さんに、ＯＢの皆さんに、すでに鬼籍に入られた諸先輩方にまで、

きっと、とどけよ「ありがとう＆さようなら」。

人間を５０年もしたのだから、自身に感謝の長期休暇を与えてみるのも良いだろう。

素敵な休暇になりそうで、ワクワクしてしまう。

天職へ

地球のどこにいても、日々は旅。旅は一期一会。明日はない。今日、今、この瞬間が人生だ。

ひと時たりとも、無為に過ごしたくはない。人生は２度楽しみたい。

夢を追って道を行こう。羽ばたき、飛ぶ訓練は積んできた。

自由に飛ばず、一生を終えるわけには行かない。

「求めよさらば与えられん、叩けよさらば開かれん」（新約聖書・マタイ伝）

旅はまだ続く。