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仙台市青葉区と聞けば、なにやら都会の響きがある。
仙台駅から西は山形県境迄、青葉区は広いのだ。
東北支店はビル街の本町にあり、我家は少し北にある。
寺院の多い北山界隈。
除夜の鐘が聞こえてくる。
北から「ゴォ〜ン」、北東から「ガァ〜ン」、西から「ゴォゥ〜ン」、
南からも「ゴォ〜ン」。
なんじゃ、これは。
撞き始めの時刻も、何時何分何秒に第一打と、教科書を
無視して、バラバラ。
まだ00:00前でしょ。
本当に今が、「正・子の刻」なの?
どうも拡大解釈組の、23:00からが多いようだ。
まして第一打と第二打の間隔など、
檀家や、にわか参加者が撞くから無茶苦茶だ。
あちらからも、こちらからも、
108回どころか、撞き手を希望する行列が終わる迄、鐘は続く。
もういい。わかった。
音色の違う鐘は、ランダムに1000回以上も響き亘る。
あぁ。
いくら煩悩が多いと言っても、1000ケは、ありません。
もう充分煩悩は除かれたョ。
かくして界隈の我家では、贅沢な夜が明け大正月となる。
仙台藩祖・伊達政宗公が4年の歳月をかけ造営、
慶長12(1607)年8月12日、遷座祭の執行された大崎八幡宮は
歩いて20分の距離にある。
豪壮にして華麗な安土桃山時代建築で、
明治38年特別保護建造物に指定。
昭和27年国宝建造物に指定されている。
正月飾りを燃やすご神火に、商売繁盛や無病息災を祈願
する小正月(14日)の伝統行事「どんと祭」には、
100団体2100人もの若者が裸参り。
7万人の人出でにぎわう様は、まさに古語のどんど(人のざわめき=がやがや)
が転訛した様子を裏付けている。
二番正月のある街、仙台が好き。
本稿は、よしさん勤務先社内報「こばると」2002年3月号に掲載されました。「こばると」編集部のご好意により、「ザ・レイクチャンプ」に転載させて頂くものです。 thanks
「こばると」, yoshisan.
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