ODL・トーク Outdoor Life Talk

今回のテーマ
マグロと、インターネット
Bluefin tuna & internet.
[整理番号:0056]

18km先に北海道が見える。肉眼で、間近に。本州最北端の町。おおま。

この町のホテルに1泊。

夕食は、クロマグロ。

まず、中トロの刺身。醤油にわさびを入れ、そこにマグロをちょっと付け

(決して、ドップリと全体を付けてはイケナイ)、口に放り込むと、

溶けるように消えてゆく。絶品。うまい。

そこでアツアツのごはんを一口(これも青森産、銘柄は津軽乙女)。

涙がでそうになるほどに、うまい。

箸は、クロマグロのフライへ向かう。よくある切り身のフライではない。

日頃、ネギトロで食べている食材をフライにしたものだ。

食感は軽快だが、なんとなくモソモソしている。

これならよしさんは、ネギトロに軍配を挙げたい。

さて。

クロマグロの皮の酢の物。

これは、旨い。どこにでもある食材ではない。クロマグロの産地であることを

証明する一品だ。こういう料理に出会うとは、幸せである。

また、ごはんを一口。至福の時。

浜に捨てられた廃船に風は冷たく

ホテルで、電子メールをチェックに掛かる。

ノートパソコンを立ち上げ、国内最大級のアクセスポイント(略称=AP)

数を誇る niftyserveに接続すべくAPを探すが、大間から最短の県内APは、

青森市・八戸市と遠い。青森市を選んでアクセスするも、接続できない。

モデムが反応していない。なぜだ。電話とモデムの一体型カ−ドは、通信速度

の速いPHS。何と、ここはPHSの圏外だ。

ならばパソコン内蔵モデムに、客室の電話回線を接続すれば良い(通信速度は

遅いけどね)。

部屋の電話器から外した電話回線を、パソコンに接続し、GO!

あれっ、反応なし。

外線発信用の0(ゼロ)を頭に追加しないとイカンのだな、と念のためホテル

のインフォメーションブックを見れば、我が目を疑う文字列が並んでいる。

曰く。「市内・市外通話は、ロビーの公衆電話をご利用下さい」。

ホテルの客室で館内専用とは、初めてだ。ガァ〜ン。

パソコンでのメールチェックも、インターネットも、あきらめた。

まっ、こんな日も、あるさ。

NTTさん、ビジターのために、PHSのアンテナ網と中継所を充実させて

下さいな。地形や交通インフラのハンディを負った町ではあるが、通信(電波

伝播)のハンディを負う必要はない。

加入回線を操れるのは住民だけ、モバイラーにも優しい町でありたいネ。

帰ってくるのは、釣れた船

大間のクロマグロは、一本釣り。エサ釣りではない、ルアー釣りなのだ。

ルアーは日本伝統のバケ。フェザージグやらタコベイトの類いである。

ヘッド部は鹿角あり、金属あり、素材も輝き具合も、各人秘中の秘だ。

クロマグロは、荒天前に跳ね、南風では表層に、北風では潜るといわれ、

泳層は数m〜60m、時として150mとも。

トローリングで狙うポイントは、本州最北端・大間岬の沖合い1〜3km。

その付近の水深は50mだから、表層・中層・ボトム、どこを釣るかは

釣り人(職漁師)しだい。あと3km沖なら水深は100m、さらに

3〜4km出れば、津軽海峡の最深部200m強へと達する。

大間のクロマグロの某年8月〜翌年1月の総水揚量は、110t(738尾)

と記録される。

荒天の冬、5トン前後の小船で400kgの大物を釣るとなれば、命がけ。

我らは命がけの職漁師ではなく、気まぐれの遊魚人。

せいぜい3kgの魚を釣るアマチュアで良かったと、

大間の風に吹かれて思う。

黒鮪:スズキ目・サバ科。ホンマグロ・クロシビとも呼ばれる。

リリースすれば・・・
Updated.2001年12月01日発表
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