春の憂鬱 Spring is melancholy.
ODL・ト−ク Outdoor Life Talk
今回のテ−マ
春の憂鬱
Spring is melancholy.
[整理番号:0028]

また、春が来た。

よしさんの、憂鬱な季節。

「たんに釣れれば良い」という低次元の釣り人に、魚が釣られ、

ダメ−ジを受けることを想うと、憂鬱は深くなるばかり。

 

例えば、お腹の張ったプリスポ−ンのBASSを釣ったとしよう。

「やったァ〜」と、舟に釣り上げ、ルア−外しに手間取っていれば、

胴の間の床で、魚は、ドタバタと暴れる。

やっと、押さえ込んで寸法を測り、ストリンガ−に繋ぐ。

例えば、シャロ−に産卵床を発見する。

1m間隔にBASSがいて、イ−ジ−に釣れる。

「こりゃァ〜、楽しい!」と、ガンガン釣る。

例えば、お腹の痩せたアフタ−スポ−ンのBASSを釣ったとする。

「ウ〜ム、産卵後だな」と、舟に釣り上げ、寸法を測り、「まずまずだな」と、

ライブウェルにキ−プする。

例えば、6時に・8時に・10時に、数箇所で釣った魚を、一日中キ−プし、

夕方、まとめて桟橋からリリ−スする。

不伝の伝

体のヌメリが取れ、尾は割れ、舟底の砂ゴミが付着した魚に、ダメ−ジはないか。

ストリンガ−に繋がれ、湖面を引きずり廻された魚は、リリ−スする時点で、

生きているのか。

親魚が釣られて不在の産卵床で、卵がブル−ギルに食べられていないか。

守る親魚がいない稚魚の群れは、育つのか。

産卵床の直撃など、論外。

稚魚を下から見守る親魚とて、ルア−が通れば、本能でアタックするだろう。

そういう魚を釣って、それでも釣ったと、喜ぶ輩がいる。

ここが私の、ハ−トランド

もっと解かりやすく擬人法で比喩するなら、

妊婦を狙うだろうか、繋ぐだろうか、産科はどうか、産後の婦人をより疲労

させるだろうか、家(巣)の遥かな遠方で放り出すだろうか。

否、決して、そんなことはあるまい。

もとより、私たちは職漁者ではない。

バスプロでもない。

釣った魚を出荷しなくても、生活は出来る。

産卵期のト−ナメントに出場し、キ−パ−サイズを揃えて、

定刻に桟橋で検量する必然はない。

フックなし、経験済みですか

釣らないのがベスト。

どうしても、この季節に釣るのなら、シャロ−には近寄らない。

産卵床を作れない場所で釣る。

例えば、水深3m以上のボトム。絶壁のエグレ。水深のあるハンプ。

そんなポイントが、国際安全牌となる。

困難は承知。

私たちは、魚を絶滅させたいのではなく、増やしたいと願う

「誇り高き遊魚者」なのだ。

不運にも(?)釣ってしまったら、その場でリリ−スするのはアタリマエ。

キャッチから、リリ−ス迄の時間は、15秒以内。

それだけあれば、フックを外して、口の中を見て(他の釣鈎がないか)、

サイズは計れる。

キャッチの場所と、リリ−スの場所は同一が原則。

ログに記入するのは、リリ−スした後で良い。

自己最大魚を春に釣ったとあっては、「誇り高き遊魚者」の経歴に傷が付く。

そんな気概で、あってほしい。

70アップは育てて釣りたい。

春にでは、なく。

リリ−スすれば・・・
1999年04月01日発表
http://www.mmjp.or.jp/lake-champ
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