インストラクタ−の1日 One day of instructor.

ODL・ト−ク Outdoor Life Talk

今回のテ−マ
インストラクタ−の1日
One day of instructor.
[整理番号:0020]
インストラクタ−になって、2年目になる。

今回は、世にも珍なる商売、フィッシング・インストラクタ−の

1日をご紹介致しましょう。

「おはよう御座います」

「釣れますか(ましたか)」

「今日は、○○をこうやって使って、○○を攻めるのが、良いと

思います」

「お疲れ様」

BIG FISHのパラダイス

マニュアルなどないけれど、これがインストラクタ−の常套句。

明るく、ハッキリと、やや遠慮気味に、それでいて絶好のタイミング

に、自信を持って声を掛けることが要求されるのだ。

?なんだソレ!)。

ボ−ト店に出勤すると(出勤ですよ、出勤!)、旦那(世にいう社長

さん・スポンサ−殿)への挨拶もそこそこに、桟橋へ向かう。

インストラクタ−の目印にしている、 赤いBPS(バスプロショップス)

の帽子 だけかぶって、あとは手ぶらで、よろし。

足元と左右に眼を配って、進むと、「あった!」。

駐車場で、捨てられたオフセットフックを回収。

続いて桟橋で、ラインやらグラブ、ジグヘッドからシンカ−、

食べ物の包装紙まで、アレヤコレヤを回収。

何のことはない。そう、ゴミ拾いです。

お客様に、気持ち良く利用して頂けるよう、(フックが履き物を

貫いて)危険がないよう、自然分解しないゴミが、亀山湖に沈まぬ

ようにと、これも大事な仕事です。

考える力が、大切です

さて。

「赤いフットタ−ボ号」に、ロッドとカフェインを積んで、河岸払い。

乗って解ったけれど、地球環境にやさしい人力舟は、正直なところ、

チトつらい。

脚で漕ぐのだから、近場(ソノヘン迄)は良いのだが・・。

とても医院下やら、神社下などの遠方へは、行けません。

ましてやダムサイトなど!

みなさ〜ん! 声を掛けてもらいたい人は、白鳥島・岩の上島・つぼりと・熊の塚

カラス宿・角柳・漆淵・竹薮下・亀山大橋付近に居て下さい(と、これはお願い)。

さてさて。

リクエストがあれば、

「いついかなる条件下においても、1尾釣って見せなくてはならない」

のが、フィッシング・インストラクタ−だと心得るから、

たいていの場合、このよしさん、自分で1尾釣ります。

(大減水あり、台風ニゴリあり、低水温あり、高水温ありで、

これも結構むずかしいものなんですネ。ハイ。)

それから、「釣れますか(ましたか)」と、手近の舟に声を掛ける

ことになる。

スポンサ−の店のボ−トとは、限らない。

よしさんのいるエリアに入ってきた舟なら、どの店の舟も平等です。

(そうできるのも、太っ腹のスポンサ−殿のおかげです。感謝。)

釣れないという仕掛けを見せてもらい、改良のアドバイスをする。

釣って見せてというリクエストに、シシィベイトで小物を釣って

披露する。

よしさんの気分が良く、お客様と(湖上談義で)ウマがあえば、

「このルア−を試して下さい」と、振る舞ってしまうことさえある。

(ホントに本当です)

ここが私の、ハ−トランド

桟橋で、こんなことがあった。

親子がボ−トに乗り、お父さんがオ−ルを持った途端に、「アッ!」。

お父さんの右の手のひらに、トゲが刺さっている!

小学生が、よしさん執刀の切開手術(?)を恐怖の目で見ていたっけ。

(ナイフは、こうやって使うんだよ、坊や!)

ナイフとBAND−AIDは、釣りの必携品です。

 

また、ある雨の上がった午前。

桟橋に帰ってきた舟に水がたまり、お客様の足元が水没寸前。

バケツで汲むには少な過ぎ、放っておけばスニ−カ−は「沈」。

ふと見れば、舟には「おいしい水」の空きボトル。

PETボトルは、よしさんのレザ−マンツ−ル(のナイフ)で

二分され、格好の水汲み容器に変身しました。

 

そうこうしていると、やがて夕刻。

桟橋から、帰ってくる舟に手で合図を送る。

舟からは桟橋の、どの位置に空きがあるのか、解らない。

だから左腕をいっぱいに差し出して、「左へどうぞ!」と、

沖の舟に、ジェスチャ−と視線を送る。

「お疲れ様」と声を掛け、舟を舫う。

釣り場と心は、美しくありたい

あっ!そうそう。

フィッシング・インストラクタ−を目指す人(いるのかネ)への、

アドバイス。

この商売、釣りの技術だけでは、どォ〜にもなりません。

技術なら、アウトドアライフの全般が要求されます。

俗に心技体と言いますが、ここでの優先順位は心体技です。

Conservetionを含めて、包括して亀山湖を愛する心。

亀山湖が好き。

いつまでも美しい、亀山湖であって欲しい。

訪ねてくれた釣り人に、気分よく楽しんでもらいたい。

ここは、われらのハ−トランド。

夢の舞台、世界の亀山湖なのだ、という心。

技よりも、心がなければ、始まりません。

 

よしさんは、単なるフィッシング・インストラクタ−に

満足しているワケデハありません。

もっとグロ−バルに、流域全体の自然環境にも眼を向け、

人と自然の調和を守りたいと、密かな志を抱いているのです。

よしさんの好きな言葉を、ひとつ。

志は、いくら大きくても、咎める人はいない。

ではまた。

リリ−スすれば・・・
1998年09月01日発表
http://www.mmjp.or.jp/lake-champ
大魚への気配りは、できますか