亀山湖、そこは夢の舞台。
出番前の役者なら緊張したり、リラックスしたりの楽屋裏。
われらは、悠々と急ぎ、まずチェックイン手続きへ向かう。
続いて、道具をいつもの場所へセットして、
ライブウェルに水を汲み、さあ、いよいよ河岸払い。
「ズシッ」と重い、大物特有の、フッキングの手応え。
それを求めて、遥かなる「50アップの楽園」亀山湖へ遠征したのだ。
ファ−ストキャストの前に、いつものゲン担ぎ(おまじない)。
スポットライトを浴びて、ステ−ジにスタ−が登場するごとく、
舟を操って湖面を行く時、そこがわれらの夢の舞台。
ルア−を、亀山湖の水に浸す喜び。
予定のポイントで、得意技を試すもよし。
前日の釣果で、軌道修正するもよし。
至福の時は、流れる。
陽が高く昇っても、中だるみすることなく、頑張ってほしい。
来られなかった日々を、同行できなかった友人を思い出し、
さらに念入りに攻めて見たい。
舟上で昼寝など、言語道断。
ステ−ジに上がった、スタ−のすることではない。
水位・水色・風向き・他舟の位置・ポイント選定・ボ−トポジション・
使用ルア−・ルア−着水点・バイト予想点・ランディングの
コ−スetc、再検討課題は多い。
けれど、闇雲にキャストは、すまい。
キャストは両刃の剣。
矢鱈なキャストでは、警戒させる効果が釣る効果を凌いでしまう。
この釣りは、上手く書けたミステリ−と同じ。
探偵が犯人を暴くごとく、絵になり、詩になる釣り姿を披露しつつ
われらは慎重に、ただ1尾を狙う。
50アップと言うけれど、実際に釣った幸運な釣り人は
どれほどいるのだろうか。
否、逆に言えば、亀山湖は50アップを何尾ストックしているのだろう。
釣り人の誰もが、一度は行きたいと憧れる釣り場なら、
琵琶湖あり、七色ダムあり、池原ダムあり、早明浦ダムもある。
はたして亀山湖でよいのかと。
迷えるあなたの、当然といえば当然なその疑問には、
こう回答しよう。
夢を実現する50アップでよいのなら、
40尾から50尾が泳いでいる。
亀山湖レコ−ドを更新する60アップなら、10数尾。
日本記録を狙う70アップさえ、数尾が成長中だ、と。
ここは、われらが夢の舞台、世界の亀山湖なのだ。
亀山湖を愛するよしさんから、ステ−ジに上がる釣り人へ。
熱いメッセ−ジよ、伝われ。