春になり、水が温むと、活発に動き出す魚が多い。
文字通り水温が上昇するということが、行動のトリガ−になる訳だ。
春は、釣りのシ−ズンイン。
して見れば、いつからが春かを知ることは、釣り人には、重要に違いない。
そこで
今回のテ−マは、春を知る方法について。
われわれは地上にいて、水中に暮らしているのではないのだから、
水温を感じて、昨日から春だとか、今日からが春なのだとかは、わからない。
いったい、春とは何か。
何が、どうなってきたら、春なのか。
地上での、わかりやすい目安は、ないか。
去年の春と今年の春は、同月同日なのか。
まじめに(?)考えるほど、定義(のようなもの)は、難儀だ。
因みに、広辞苑を開くと、
はる【春】(田畑を「墾(は)る」意、または気候の「晴る」意からか。
草木の芽が「張る」意からともいう)
などとあり、さらに、
立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)まで
だとか、
太陽暦では1〜3月、気象学的には太陽暦の3〜5月、天文学的には春分
(3月21日頃)から夏至(6月21日頃)までに当たる。
と書かれているが、
では春は、2月4日なのか。1月か。3月か。3月21日か。
どこから始まるのだろう(4択問題ですな)。
だいたい、この4択に正解は、あるのだろうか。
野口悠紀雄教授言うところの、「解の存在定理の証明」というヤツですな。
イヤイヤ、脱線してきました。スミマセン。
さて、春を知る方法。
釣り人の対象は、魚である(当然です)。
魚が春を感じるのなら、他の動物や植物も春を感じて良いはず。
動物や植物が春を感じると、どんな変化が現れるのか。
そんな観点から生物を観察し、季節を知る
方法は、釣り人にも有効です。
去年のソメイヨシノの開花日に、亀山湖で大釣りをしたとしよう。
今年のソメイヨシノの開花日は、前年比同月同日ではなくとも、
また亀山湖で大釣りできる可能性が、高いと推定できるのだ。
複数の生物季節を知ることで、春の訪れを、より確かに把握
できるもの。
いくつか、春のチェック項目を列挙してみよう!
■ウグイスの鳴き声
房総では、2月20日頃。
■春一番
気象現象だが、「冬の終わり」を知るには、わかりやすい。
今年は関東で3月14日に観測。
■タンポポの開花
亀山湖では、3月10日頃。東京で3月20日頃。
■ヒキガエル初見
亀山湖では、3月15日頃。今年は四街道市で3月20日初見。
■スミレの開花
亀山湖では、3月20日頃。
春の野に すみれ採みにと 来し われぞ
野をなつかしみ 一夜(ひとよ)寝にける
山部赤人(万葉集:巻8−1424)
■ツクシ
亀山湖では、3月20日頃。今年は四街道市で3月22日初見。
■ソメイヨシノの開花
亀山湖では、3月31日頃。
■ツバメ初見
亀山湖では、4月01日頃。
■藤の開花
亀山湖では、4月30日頃。
より正確を期すため、
観察の場所は、毎年特定しておく。
日当たりなどの局地的条件を、揃えるためだ。
この土手、あの雑木林、この木(観測木という訳だ)、あの古巣。
というように。
ある項目が去年より3日早く、別の項目も4日早ければ、今年は
自然界の営み(季節)が、3〜4日早いのだと推定できる。
もちろん、指標(分母)は多いほど良い。
亀山湖では、紫前線の上昇と共に、良い釣りが始まる。
さて、我が家の近所に指標を探さなくては。