釣りの記録は、利用するために、残される。
利用の目的は、必ずしも釣りに限らない。
生態や生物季節、種の絶滅期(出現期)や気候、はては交通料金や釣り場への
時間距離の変遷資料などにも使えそうだ。
ここでは、釣りに利用することを考えて見よう。
例えば、よしさんの記録(亀山湖ログは、前回掲載分を参照)は、どうであろうか。
そこにある情報は、釣り場名称・釣行年月日・曜日・天候・使用ボ−ト店名・
同行者(同舟者)氏名・混雑度・釣り時刻・水位・水色・水温・気圧・風向・
ヒットポイント分類・ベイトフィッシュ・釣果の数・全長・ポイント名称・時刻・
使用した釣り具・ボ−ト店で聞いた本日の最大魚とヒットポイント・生物季節である。
ログ以外には、新聞発表天気図(当日06:00の天気図と11:00の衛星写真
および18:00の天気図と23:00の衛星写真)・当日の最低と最高気温・日の出と
日の入および満干潮資料も整理されている。
これが過去10年分あるとしたら、あなたならどのように利用しますか。
これからの釣行予定日に相当する、前年の同月同日の記録を見る。
念をいれて前前年の、同月同日の記録も確認しておく。さらに前前前年の・・・。
欲張って前前前前年の・・・。まあ、見ないよりは良いでしょう。
その利用方法ではたくさん見るほど、デ−タの相違が目立って結局つかみどころが
ありません。
釣行予定日には、何に(どこに)重点をおいて攻めるのか芒洋としてしまいます。
このように利用の形態が、主として「記録を見る(読む)」ものは、参照です。
いくつもの要素から成る、多数のデ−タに何か共通したもの、共通した動き、
季節ごとに反復される傾向、そんなものはあるまいか。
デ−タから法則(のようなもの)、大局がつかめないだろうか。
その目的のため、比較表や各種マップの作成、平均値や最高最低値の計算などが、
試みられる。
一方、利用の形態が、主として「記録を比較検討する」ものは、解析です。
自身の最短距離で、最大効果(記録魚)を得んとすれば、代表的なデ−タ解析方法を
実践するのは有効だと思います。
手書き、手計算もよし。パソコンでエクセル利用もよし。
もちろんデ−タは、多いほど良く、他の釣り人のデ−タと合算利用するのも
合理的でしょう。
いくつかの方法は、次の通りです。
@チェックシ−ト
Aヒストグラム(棒グラフ) バラつきの把握
B特性要因図 原因と結果の体系化
C層別 デ−タの分類
D管理図 ±0を基準とした折れ線グラフ
Eパレ−ト図 重点の把握
F散布図(分布ドット+線引き)2種類のデ−タの相関
皆さんも、研究してみて下さい。
亀山湖・霞ケ浦・北浦・印旛沼等の主要釣り場ごとに、年度別釣獲数グラフ・
月別釣獲数グラフ・最近10年間ポイント別釣獲率などが整備・公表されていたら、
本当に嬉しいですね。
それらの仕事は、遊魚者(釣り人)から料金を徴収する団体(漁協等)の
義務(釣れることの証明)であっても不思議は、ありません。
ボ−ト店がデ−タを整備・公表するのであれば、それが本来の意味での
サ−ビスと呼ばれるものになるのです。
ともあれ、
釣り場では、左目に写る直感を大切に、
右目に映るデ−タをチラッと一瞥しつつ、複眼で攻めると、よろしいようで。