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| 0105 |
| 三直大堰(みのうおおぜき) minou-oozeki. |
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| 千葉県君津市三直(みのう)峰田 |
1地形図 | 鹿野山5515,5525 |
| 溜池(潅漑用) |
| 三直用水池、大堰 |
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JR内房線君津駅より、東南へ約4km。 内房・東京湾沿いの館山自動車道を南下し、木更津南JCTを南下。 現在の終点・君津ICの料金所をでて(T字路・信号)、右折。 300m先(市民文化ホール手前)の信号右折。200m先の右が大堰。 |
| 5,000m2(0.5ha)推定 |
| 1m |
| 5,000m3推定 |
| 不詳 |
| 1869(明治02)年以前 |
生息確認年月 | 1996(平成08)年03月31日確認 2003(平成15)年10月07日確認 |
| 貸しボート・トイレ・売店なし。駐車スペースなし。 |
Special Feature | 水色はややマッディー、堰堤付近の水面はオープン。ボトムは泥。 |
上流側の水面には、水生植物が繁茂している。 | |
すなわち、岸辺から順にアシ、マコモ、ガマ、ハスである。 | |
堰の棲息魚種は、コイ・ヘラブナと、ブルーギル・ブラックバスが僅かであろう。 | |
マルタニシ・マミズクラゲ・エンマコオロギ・カマキリも棲息する。 | |
圃場整備の伸展にあわせ、用水事情が改善されるにつれ、堰の重要性は薄れ、 | |
いまや「あぶない、水遊びしない、近よらない」危険で厄介な存在となりつつある堰は、 | |
草刈・泥さらい・ゴミ撤去などの手入れが、なされておらず、投棄された自転車が、 | |
底泥に半分埋もれストラクチャーになっている悲しい状態だ。 | |
そんな環境下では、どの魚も個体数は極少と思え、1尾釣れれば幸運というべきか。 |
遠方から訪ねるほど、価値ある釣り場ではないだろう。 | |
よしさんは、欠けていた市史近刊の購入に(君津)市役所へ出向いたおり、立ち寄り、 | |
棲息確認のため1尾だけ釣ってみた。 | |
「もっと詳しく釣り方を知りたい」ですと、されば発表しておこう。 | |
時刻は13:00ころ、10分間で、3ケ所に立ち、合計5キャストし、5キャスト目にヒット。 | |
使用したのは、6インチワームのダウン・ショットリグ(ワッキー)、これでいいかな。 | |
「メソッドも知りたい」と、うぅ〜ん。では。 | |
5キャスト目は、まばらなハス近くにキャスト、フォールさせ、ボトムでピクピクさせても | |
反応がないので、手前まで巻き取ってきて、足元の水中に伸びたマコモの葉影に、 | |
自然な感じでフォールさせ(ラインを葉に掛け)、チョンとあおった瞬間、・・。 | |
堰堤付近が釣りやすく、2人以上では釣りにならない狭さである。 |
history. | 北西から南東へ堤体は一文字にのびる。水面は北東に広がっている。 |
堤体はアース式で、コンクリートのなかった古い時代の築堤だから、苦汁を混入した | |
土盛り、道路側(北西岸)の一部はコンクリート垂直護岸である。 | |
堤頂長50.0m・堤頂高10m・堤頂巾2m。 | |
堤体積・総貯水容量・有効貯水容量は、残念だが不詳。 | |
面積を約3町歩(約29,752m2)、または1ha(10,000m2)とする説(君津町誌) | |
もあるが、現状と比較すると理解しずらい。 | |
試みに湛水面積を概算すると、平均巾50m×長さ100mで5000m2。 | |
この堰の最大水深と有効水深はほぼ同一(泥が溜まっている)で、1mとするなら、 | |
有効貯水容量は5000m3強が実情と推定される。 |
三直の地名は、古代平安期(和名抄)からあるが、三直大堰の名が明確に残るのは、 | |
1869(明治02)年正月に長島藩へ提出された「三直村明細帳」に、 | |
一 溜堰 字手代上ニ而大堰与唱候 一ケ所 | |
と、他の村内9ケ所とともに記載された古文書と思われ、築造起源は、より古いことが | |
確認できる。 | |
その後、 | |
@1894(明治27)年には、小糸川(流路延長80km・流域面積148.7km2)から揚水 | |
する三直水車(藤原式・すいしゃ)が完成した | |
(水郷・潮来方面では、みずぐるまと呼ぶが、当地では、すいしゃと発音された) | |
A明治中期に上総掘りで石井峰次郎がさく井した、三直の記録は深さ472m(約260間) | |
とあり(君津町誌)、これが非常時の灌漑に併用された可能性もある | |
B大正初期には、三直水車に代わって、動力揚水機が導入された | |
などを重ねて考えると、三直大堰が唯一の灌漑用水源だった時代は、明治後期までであっ | |
たかと思える。 | |
三直大堰に明確なインレット(流入部)はなく、谷津の湧き水と雨水が水源と推定される。 | |
ゲート式取水設備、ならびにコンクリート製木栓式尺八と越流式余水吐(U字溝)は堰堤の | |
南西端にある。 | |
流末は小糸川に入り、君津市神門(ごうど)で東京湾に下る。 | |
三直大堰の5km西、今は様相が激変した坂田地区の今昔は『坂田郷土史』に詳しい。 | |
古老の話や、主要各戸の近世からの系図掲載は珍しく、貴重な労作である。 |
よしさん架蔵 | Reference Books. | |
○君津町誌 後編 | 1973(昭和48)年09月30日再版 | |
同編纂委員会 君津市 | ||
○コンサイス地名辞典 日本編 | 1975(昭和50)年01月30日第1刷 | |
三省堂編修所 株式会社三省堂 | ||
○坂田郷土史 | 1981(昭和56)年11月10日 | |
坂田土地区画整理組合郷土史編纂委員会 同組合(非売品) | ||
○角川日本地名大辞典 12千葉県 | 1984(昭和59)年03月08日 | |
同編纂委員会 株式会社角川書店 | ||
○君津市史 史料集V近代T | 1993(平成05)年03月31日 | |
同編纂委員会 君津市 | ||
○君津市史 自然編 | 1996(平成08)年03月31日 | |
同編纂委員会 君津市 | ||
○君津市史 通史 | 2001(平成13)年09月20日 | |
同編纂委員会 君津市 | ||
よしさん(2012):千葉県三直大堰の動物プランクトン(2012年夏季) | 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」 | |
よしさん(2012):千葉県三直大堰の植物プランクトン(2012年夏季) | 「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」 |