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| 足長堰(あしながせき)ashinaga-dam. |
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| 千葉県安房郡千倉町北朝夷寺庭 |
1地形図 | 千倉7546 |
分 類 | 溜池(灌漑用) |
別 称 | なし |
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JR内房線千倉駅より、南西へ約1200m。 内房・東京湾沿いの国道127号線を南下し、 館山バイパスで館山市に入る。 館山市から引き続き、国道128号線を東進。 約3.8km先・加戸のY字路で国道から別れ右折、 県道190号・館山千倉線に入る。 JR九重駅を右に見て道なり南東進。宇田トンネルを抜け千倉町に入り、 約1400m先の瀬戸交差点を右折、すぐJR内房線の踏切を渡り西進、 約800m先・川戸で左トを左折、谷津を詰めて行くと 美術館の前が柏尾堰、さらに分水嶺の先が足長堰である。 |
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| 15,000m2(1.5ha)推定 |
| 5.0m(推定) |
| 45,000m3 |
| 不詳 |
| 原型は江戸時代 現状は1937(昭和12)年12月改修 |
生息確認年月 | 2003(平成15)年03月04日 |
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貸しボート・売店・トイレなし。 |
Special Feature | 足長堰は太平洋に開けた温暖の地にあり、 |
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房総には珍しく、ややクリアーな色の水を湛えている。 主な水面はオープンで、一部は菱藻におおわれる。 堰堤付近の水中には冬でも枯れない水草・海老藻(沈水性多年草)がある。 ボトムは砂岩・土・泥。 岸辺はおおむね急で、アプローチは、堰堤がもっとも容易だ。 東の道路沿いワンドの水深は浅い、その奥、北岸へは歩いて入れ、水深もあるが藪が 多く、ポイント(釣り座)は限定される。 南西のワンドは足場が高くなり、藪にもはばまれる。 西岸一帯へのアプローチは困難と見た。足長堰の代表魚種はコイ・フナ・BASSであろう。 インレット(流入部)・ワンド・岬・コンクリート護岸・水草等のストラクチャーがある。 堰堤で背後を振り返れば、明るい太平洋が大きく一望できる。 |
history. | 足長堰は千倉町で最大級の溜池のひとつである。 |
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谷津を南北にせき止める型で堤体が設置され、湖水は西にひらがなの「つ」の字型に広がる。 堤体の形状は、農業用溜池には珍しくアース式とアーチ式の複合型で、土盛りである。 堤頂高8.0m、堤頂巾5.0m、堤頂長80.0m、堤体積・総貯水容量・有効貯水容量は、 残念ながら不詳である。 試みに、よしさんが計算すれば300L×50Wで湛水面積は15000m2、最大水深は5m内外 と推定されるが、平均水深を3mとし、有効貯水容量を45000m3と見積れる。 取水用コンクリート製尺八は東南端(堰堤左岸)に、越流式余水吐は南西端に設置されている。 池畔の記念碑によれば、 @堤体の内側2m余りを(厚く)増強 A木製樋栓をやめ、隧道・階段式に更新等の 旧溜池(釜沼溜池)改修は、1935(昭和10)年10月着手、1937(昭和12)年12月完成、 時の耕地整理組合員は106名と読める。 施工者と事業費は不詳だが、受益面積は15haである。 足長堰の流末は、川尻川から太平洋に下る。 |
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川戸地区で最大の柏尾堰の堤体は北にあり、湖水は南方の東西に「へ」の字型に広がる。 東岸は車道、西岸は海岸美術館(電話0470-44-2611 休館日なし)に隣接し、山の中に 、ひっそりとたたずむ小場所だ。 水色はマッディー、遊歩道が整備されている。生息魚種は不詳。 柏尾堰も農業用溜池で、築造は江戸時代・享保年間と伝えられる。 1997(平成09)年03月、農林水産省補助により、「ふるさと水と土保全モデル事業」が竣工した。 柏尾堰の管理は川戸土地改良区、受益面積は、4.5haである。 柏尾堰の流末は、瀬戸川から太平洋に下る。 |
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土食(つちはむ)から転じたとされるツバメの初見日は、房総南端・館山市で04月09日頃 だが、2003年は異常に早く、03月04日には足長堰に多数が飛来しているのを、よしさん は目撃した。 2002年より12日早く、関東・北陸地方に春一番が吹いた日の翌日で、南から追風に乗って 一気に渡たってきたものと思える。 |
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千倉町・丸山町・和田町には大河川がなく、昔から旱ばつの影響を受けてきた。 このため人々は、地区ごとに堰をつくり、また川から用水を引くための水路を整備してきた。 千倉町に、小は受益面積0.5haをまかなうものから、大は受益面積15haまで、52ケ所の 溜池がある(1985年現在)。 溜池の多い風景は地形と気象条件に起因して、人々が営々と作りあげてきた地方の顔である。 釣り人は、代掻き・田植え・稲刈り等の農作業(大型農業機械使用)の邪魔にならぬよう、 農繁期には釣りを控える、遠方に駐車して歩く等の配慮をしたい。 |
Reference Books. | ||
○季節の事典 大後美保 | 1976(昭和51)年04月10日2版 | |
株式会社東京堂出版 | ||
○千倉町史 | 1985(昭和60)年10月15日 | |
千倉町史編さん委員会 千倉町 | ||
○ちばの博物館 | 1994(平成06)年03月15日 | |
千葉県博物館協会 |