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| 0099 |
| 川治ダム(かわじダム)八汐湖 kawaji-dam. |
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| 栃木県塩谷郡藤原町大字川治字数 |
1地形図 | 川治 |
分 類 | ダム(洪水調節・河川維持・灌漑・上水道・工業用水) |
別 称 | 川治貯水池、川治湖、八汐湖(やしおこ) |
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野岩鉄道川治湯元駅より、西へ約1500m。 東北自動車道を下り、宇都宮JCより日光宇都宮道路に入り、 今市IC出る。 国道121号線(会津西街道)を北上。 竜王峡を過ぎ、2km先で国道と別れ、Y字路を左。 鬼怒川を小網大橋で渡り、道なりに北上。 川治第1トンネル、第2トンネルを抜ければ川治ダム入口である。 |
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| 2,200,000m2(220ha) |
| 72.0m(利用水深) |
| 76,000,000m3 |
| 144.2km2 |
| 1983(昭和58)年03月 |
生息確認年月 | 2002(平成14)年09月12日未確認 |
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貸しボートなし。売店とトイレはダムサイト右岸にある。 |
Special Feature | ダムサイトで、はるばる来たなぁ、と思うのは観光客。 |
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いよいよこれからだ、と思うのが渓流釣り(たに)師の性。 八汐湖の水色は、通常ややクリアー。ボトムは岩・砂・泥。 人造湖だから水面はオープンで、水中に水草は少ない模様。 岸辺は急で、アプローチは、バックウォーターの八汐大橋方面が容易だ。 ここはイワナ・ヤマメ・レインボートラウトの生息圏で、ワカサギ・コイも放流されている。 インレット(流入部)・ワンド・岬・立木・ブレイク・リバーチャンネル等のストラクチャーがある。 川治ダム資料館(無料)がダムサイトにあり、付近の地形模型で一帯を簡単に概観できる。 |
history. | 関東地方建設局により設置された、アーチ式ダムである。 |
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鬼怒川本流を南北にせき止める型でダム堤体が設置され、湖水は西に広がっている。 堤頂高140.0m、堤頂巾7.0m、堤頂長320.0m、堤体積650,000m3のダムで 総貯水容量83,000,000m3、有効貯水容量76,000,000m3、を貯める。 1968(昭和43)年度着手、1983(昭和58)年03月完成。 ダム施工は鹿島建設、事業費は7,530,000,000円(75.3億円)である。 鬼怒川(流路延長176.7km・流域面積1760.1km2)の流末は、茨城県北相馬郡 守谷町で利根川に合流し、千葉県銚子市で太平洋に下る。 鬼怒川水系上流には、ダム湖が続々と建設されてきた。 鬼怒川本流の川俣ダム(川俣湖)・黒部ダム、川治ダムより下流に小網ダム・中岩ダム。 支流男鹿川(おじかがわ)に五十里ダム(五十里湖・いかりこ)。 支流湯西川に湯西川ダム(建設中)、支流三河沢に三河沢ダム(建設中)。 支流土呂部川に土呂部ダム。支流砥川に栗山ダム・今市ダム。 支流白石川に西古屋ダム。 その他。ざっと見渡しても、これだけあって、水源の国の面目躍如、目的の大半は、 発電用と首都圏の水がめ用になっている。 有効貯水容量は、主要3ダム(川俣湖73,110,000m3、五十里湖31,230,000m3) 中、八汐湖が最大である。 |
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鬼怒川・川治界隈の魚類の特徴と言えば、第1はイワナであろう。 国内のイワナ族を大別すると、北からオショロコマ・ミヤベイワナ・アメマス(エゾイワナ)・ ニッコウイワナ・ヤマトイワナ・キリクチ・ゴギとなるそうで、ここ川治はニッコウイワナの 原産地と推定されている。 しかし養殖・放流ものとの交配が進み、10年前でもニッコウイワナの自然繁殖魚を 確定するのは困難であったとの報告がある(イワナの顔)。 渓流釣りの本を開くと、きっと、おきまりの一節があって、以前よりもサイズが著しく 小型化したとか、昨今は乱獲によって魚影が薄いなどの記述を諸兄は目にするだろう。 ならばと「以前」の文献や、「昨今」ではない書物を紐解いても、そこにはやはり同様 の「以前よりもサイズが小型化し・・」、「乱獲によって昔より魚影が薄く・・」が鎮座して いて、無限連鎖の世界が広がっている。あぁ。 そこで、どのくらい昔なら大イワナ(大ヤマメ)が釣れたのかを、つらつら調べに掛かると 大方の見解は、昭和30年頃に落ち着くのである。 マクロ視すれば渓流は点と線の釣り場であって、湖沼のような面の釣り場ではない。 さらに渓流魚は通常キープされるから、その渓で釣れる可能性は、解禁日が一番高く 、シーズン中盤の日曜日にのんびり出掛けていては、必然的に釣りづらいもの(正確 には釣れないのではなく、釣られてしまって魚が残っていない)と容易に想像できる。 すでに昭和40年代には、源流屋・沢屋に踏破されていない源流はなくなったといわれ、 これでは平成を生きるヤマ屋は、たまらない。
1941(昭和16)年発行『山峡の釣』(やまかひのつり)「鬼怒川水系」に男鹿川・ 三依の川・湯西川・鬼怒川上流等の様子が案内されており、翌1942(昭和17)年 の『釣ところどころ』に「川治の奥で釣られた噺」(85pp)がある。 下って『続 釣魚礼賛』「川治温泉と、鬼怒川、法師温泉」に、川治温泉で釣れなかった 話もあり、それらを慰めに、新緑・紅葉や温泉を楽しむのが、無難というものか。 |
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川治温泉は、1723(享保08)年08月07日〜10日の大型台風により、天然の五十里 湖が決壊し、その鉄砲水で発見されたと伝えられる単純泉で、泉温42〜47℃。 神経痛・リューマチ・婦人病・動脈硬化に効くとされる。 薬師橋を渡った男鹿川の右岸に、公共の「川治温泉岩風呂薬師の湯」がある。 露天風呂で料金も300円とお勧めできる(電話0288-78-0229 07:00〜21:00)。 下流の鬼怒川温泉も単純泉で、泉温34〜53℃。 近代的温泉街で、若者向け・親子連れ・年配者向け、それぞれお好みのテーマパークが 見つかるだろう。 |
Reference Books. | ||
○山峡の釣 澤 令花他 | 1941(昭和16)年07月23日 | |
春陽堂書店 | ||
○釣ところどころ 益田 甫 | 1942(昭和17)年12月15日 | |
水産社 | ||
○栃木の魚 斉藤 辯 | 1979(昭和54)年11月01日初版 | |
しもつけ文庫8 株式会社栃の葉書房 | ||
○続 釣魚礼賛 榛葉英治 | 1980(昭和55)年07月10日第1刷 | |
日本経済新聞社 | ||
○湯けむりの里 | 1981(昭和56)年01月20日第2刷 | |
暁教育図書株式会社 | ||
○岩魚幻談 湯川豊ほか | 1983(昭和58)年05月20日第1刷 | |
朔風社 | ||
○岩魚大全 | 1985(昭和60)年 | |
奥鬼怒岩魚保存会 | ||
○改定渓流つり場 日本渓流釣連盟 | 1990(平成02)年度版 | |
つり人渓流フィールド 株式会社つり人社 | ||
○日光・鬼怒川 | 1993(平成05)年05月10日改訂2版 | |
JTBの旅ノート5 日本交通公社出版事業局 | ||
○イワナの顔 白石勝彦他 | 1993(平成05)年06月20日第1刷 | |
株式会社山と渓谷社 | ||
○奥鬼怒 | 1995(平成07)年10月01日第1刷 | |
つり人渓流フィールド 株式会社つり人社 | ||
○下野街道物語 島 遼伍 | 1999(平成11)年09月01日初版 | |
下野新聞社 | ||
○日光・那須 2002-03年版 | 2002(平成14)年04月15日 | |
マップルマガジン 昭文社 | ||
○海の民宿山の民宿 2002-03年版 | 2002(平成14)年05月01日 | |
マップルマガジン 昭文社 |