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| 0092 |
| 加瀬沼(かせぬま)Kase-swamp. |
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| 宮城県宮城郡利府町加瀬・宮城県多賀城市市川 ・宮城県塩釜市大日向(おおひなた)町 |
1地形図 | 仙台西北部 |
分 類 | 池(灌漑用) |
別 称 | なし |
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JR東北本線(利府線)新利府駅より、南東へ1.5km。 三陸自動車道路・利府塩釜ICを出て、T字路を左折・南下。 300m先の信号を右折・南西進。 600m先を南に下れば、加瀬沼公園である。 |
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| 300,000m2(30.0ha) |
| 6.0m(よしさん推定) |
| 不詳 |
| 1,290,000m2(129.0ha) |
| 原型は往古(約400年前)、 現状は1997(平成09)年 |
生息確認年月 | 2001(平成13)年08月05日確認 |
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貸しボート・売店なし。駐車場と水洗トイレは、加瀬沼公園にある。 |
Special Feature | 仙台平野北東部では貴重な釣り場である。 |
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水面は東西1km、南北100〜200m、堰堤は西端、水面は東、湖岸長は約4kmである。 夏季には金魚藻・菱藻・他3種類が大繁殖し、オープンな水面は、ほとんどなくなる。 水色はクリアー。ボトムは、泥・土・岩。 大小のワンド・ブッシュ・シャロ−・石貼り護岸・岩場・旧取水塔等のストラクチャーがある。 ボート釣りは禁止なので、陸っぱりのみ。 道具をコンパクトにまとめ(ウエストポーチ等)、軽装で湖岸を歩きまわる攻略方法が 正解だろう。 BASSは20cm級がスクールしており、水場の経年から最大は50アップも期待できそう だが、よしさんは50アップを確認していない。 当然のことだが、BASSの移植放流は禁止されている(宮城県内水面漁業調整規則)。 |
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ヘラブナ(最大40cm)、ライギョ、コイ、マブナ、ハヤ、ナマズ、オハグロトンボ、シオカラトンボ、 アカトンボ、トビ、ツバメ、オオハクチョウ(冬鳥)、カモ類が棲息している。 付近は「ホンドタヌキ、トウホクサンショウウオ、といった多様な動物が見られる」ことから、 宮城県により昭和48年08月17日「加瀬沼緑地環境保全地域(65ha)」に指定された。 冬季は「多賀城の自然と野鳥を守る会」により、水鳥の餌付けがされている。 加瀬沼の流末は、二級河川勿来川(流路延長7,456m・旧称:名古曽川)に入り、砂押川 (流路延長14,491m)に合し、砂押貞山運河(流路延長800m)を経て、仙台湾で太平洋に注ぐ。 勿来川上流に、惣の関ダムがある。 |
history. | 農業用水の溜池として、 |
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約400年前(慶長年間)に築造されたと伝わる。 一時は上水道水源にもされたようだが、現在は使用されていない。 アース型ダムで、堤高10.4m、堤頂長196.0m、堤頂巾4.0m(アスファルト舗装)、 堤頂高EL14.50m(よしさん推定)、堤体は盛土に内面石貼り。 総貯水量は、1,523,000m3で、宮城県内では、最大の溜池だ。 常時満水位は、EL13.10mとされるが、現地水位計の目盛で13.10mは、 ほぼ洪水時越流水位に相当する。普段の水位は、EL10.0m程度である。 計画低水位は不明ながら、常時満水位での最大水深を計算すれば、 (13.10−7.0=)6.0mと推定される。 堰体左岸に鉄筋コンクリート製越流式洪水吐を持つ。 堰堤は、1995(平成07)年〜1997(平成09)年にかけ、宮城県仙台産業振興事務所 により改修整備された。 施設所有者は多賀城市、管理者は宝堰加瀬溜井管理組合で、漁業権設定はない。 堰堤の右岸に、水神社が祭られている。 |
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加瀬沼の南500mに、多賀城跡(特別史跡1966年04月01日指定)がある。 近世の城ではなく、古代・724(神亀元)年に大和朝廷により築かれた陸奥国府で、 高さ6mの築地塀に囲まれた広大な城域は、行政庁と軍事基地を兼ねていたようだ。 ここに、桓武天皇(かんむてんのう 737-806)の命を受け征夷大将軍となって、 地元民(蝦夷・アテルイ)を討伐した、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ 758-811)や、 万葉集の編纂者・大伴家持(おおとものやかもち 718-785)等が去来(家持は多賀城に客死)した。 時代は下って、11世紀には国府機能が衰退したとされ、文字通り兵どもの夢の跡と化した。 奈良の男が東北の「どさゆさ軍団」に対し、「いてまえ」と叫んで突撃したのだろうか、 その頃、加瀬沼はなく、原野であったと思いを馳せる。 |
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環境庁・宮城県による、東北自然歩道(新・奥の細道)加瀬沼の自然と悠久の歴史をたどる みちもあり、ぶらぶら歩いて1200年の時の流れを思うもまた好し。 歴史好きには、東北歴史博物館(電話:022-368-0101)も用意されている。 加瀬沼公園にはソメイヨシノの古木があり、春の花見・秋の芋煮会でにぎわう。 |
【注】2011年03月11日発生の「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」により、
加瀬沼の流末、砂押川の伏石・中谷地まで大津波が遡上しましたが、加瀬沼へは流入していません 東日本大震災により被害を受けられた方々に心よりお見舞いを申し上げます。よしさん |
Reference Books. | ||
○宮城の釣場百景 | 1977(昭和52)年04月01日 | |
仙台地図の店 編発行 | ||
○日本のへら鮒釣り場写真集 | 1985(昭和60)年12月15日 | |
日本へら鮒釣研究会 編発行 | ||
○宮城県統計年鑑(平成12年版) | 2001(平成13)年03月 | |
宮城県企画部統計課・県統計協会 編発行 | ||
○宮城県の河川と海岸 | 2001(平成13)年03月 | |
宮城県土木部河川課 | ||
○トランヴェール 2002年6月号 | 2002(平成14)年06月01日通巻171号 | |
株式会社ジェイアール東日本企画 トランヴェール編集部編 東日本旅客鉄道株式会社発行 | ||
○東北歴史博物館HP | 2002(平成14)年07月20日現在 | |