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| 0081 |
| 樽水ダム貯水池(たるみずダム)Tarumizu-reservoir. |
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| 宮城県名取市高舘川上字長畑 |
1地形図 | 仙台西南部 |
分 類 | ダム(増田川沿川の洪水調節・既得農業用水の補給・ 流水の正常な機能の維持・名取市へ日最大13,000m3 の上水道用水の供給・等の多目的) |
別 称 | 樽水ダム・樽水湖 |
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JR東北本線名取駅より、西へ3.0km。 仙台市から、国道4号線(仙台バイパス)を南下。 名取川を名取大橋で越え、名取市に入り、"田高"信号(右ト)を 右折・西進。東北本線を越え、Y字路を右。東北新幹線を 県道118号(名取村田線)でくぐり、西進。 ファミリーマートと高舘郵便局を過ぎ、熊野那智神社の 変則6叉路は、正面に見えるY字路の左を行く。 道を詰めれば、左岸のダム公園である。 |
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| 最大0.41ku・常時0.28ku |
| 34.7m |
| 4,200,000m3 |
| 9.70ku |
| 1976(昭和51)年。 |
生息確認年月 | 2001(平成13)年08月13日確認 |
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貸しボート・売店なし。駐車場とトイレは、上流と下流堤体脇のダム公園にある。 |
Special Feature | 樽水ダムのメインインレット(流入部)は、 |
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二流沢川(流路延長2,000m)・七沢川(流路延長900m)・田高沢川 (流路延長1,300m)の合流した、増田川である。 堰堤は東端、水面は西である。 水色は、かなりクリアー。水面はオープン。 ワンド・ブッシュ・シャロー・立木・斜め護岸(コンクリート)・ 岩場・ベジテーション・藻等のストラクチャーがある。 ボート釣りは禁止なので、陸っぱりのみ。 携帯電話とPHSは、圏外で使用不能。待ち合わせの連絡は、要注意。 湖岸線は、5400m。付近の地質は角礫凝灰岩と安山岩の互層である。 BASSのアベレージサイズは、25〜30cm前後。 未確認情報(済みません)では、60cm級が釣れたとされている。 魚の個体数は多くなく、樽水ダムは平衡期と見られる。 |
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湖岸が崖(比高20m程度)で、降りていける場所(=ポイント)が少なく、 ポイントは、ダム近辺・北側の斜面・西側のインレット(流入部)付近・ 南側となる。 満水だと、釣り可能な場所は限定され、降雨時は崖が臨時インレットになり、 滑って登れないため危険である。 ルアーは、シャロークランク、ミノー、ポッパー、ワーム等に実績がある。 ヘラブナ(30cm程度多数)・鯉・オオマリコケムシ・モンキチョウ・ シジミチョウ・クロアゲハ・アカトンボ・キンヤンマ・ミンミンゼミ・ ウグイス等も棲息している。 平成11年12月に、旧宮城県漁業調整規則(昭和26年規則第75号)の 内容が改正され、宮城県内水面漁業調整規則が制定された(平成12年3月 26日から適用)。その中で「外来魚(ブラックバス、ブルーギル)の移植 放流が原則禁止され、違反すると罰則が適用されるようになった。 樽水ダムの流域は、宮城県により「樽水・五社山 県自然環境保全地域」に 指定されている。 樽水ダムの流末は、増田川(流路延長18,808m)に入り、広浦に至り、 名取川(流路延長42,543m・流域面積938.9ku)に合流して、太平洋に注ぐ。 |
History | 一級河川名取川水系増田川(流路延長18,808m)に、 |
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「増田川総合開発事業」として、宮城県が設置した、中央コア型ロックフィル ダムである。 ダム堤高43.00m、堤頂長256.50m、堤頂巾10.00m、堤頂高EL64.00m、 水面標高TP55.7m、洪水吐け設計流量240m3/秒、ダム天端64.00m 洪水時満水位(HWL)EL61.50m。常時満水位(NWL)EL55.70m。 予定堆砂面(LWL)はEL43.10m、排水窓はEL21.20mである。 予定堆砂面(LWL)はEL43.10mだから、堆砂時の常時満水位での水深は、 (55.70−43.10=)12.6mとなる。 この間に、上水用2,200,000m3が貯水される。 また、治水容量は2,000,000m3、堆砂容量は500,000m3である。 最大水深を34.7mとした計算根拠は、洪水時満水位61.50−河床高21.20= 34.7である。 |
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総貯水容量は、4,700,000m3で、宮城県内13ダムの内、12番目にランク される小型のダム湖だ。 ダム建設調査は、昭和35年より県単独事業で実施され、昭和40年から国の 補助事業となり、昭和44年着工・昭和46年ダム工事開始(施工:西松建設 株式会社)昭和51年3月完成をみた。その総事業費は、3,933百万円である。 現在管理者は宮城県であり、見学等の問合せは、仙台地方ダム総合事務所 (電話:022-372-2103)まで。 1994(平成06)年9月22日、発達した低気圧により、名取市を流れる 増田川流域に、時間最大雨量89mm、総降雨量478mmという集中豪雨が 発生した。樽水ダムは、流入流量をそのまま放流するという事態に陥り、 下流部に大きな被害がでた。 幸い人的被害はなかったが、一部では2m近くも冠水したと云う。 人知は自然に負けることを、忘却してはならない。 |
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名取は、アイヌ語「ヌタトリ(湿地)」に由来。 樽水という地名は、「その昔、高館山にこもった武士たちが水に困って 毎晩山を下り、この谷川に来て水をくみ樽に入れて牛に背負わせてようやく 水不足をしのいだ」からと伝えられ、また一説に、 「源義家が高館山を攻めたとき、源氏勢が水路を断ったので、安部勢が 大変苦しみ、樽に入れた白米を流して水に思わせたが、米に鳥が集まって きてついばみ見破られてしまった。樽に米を入れ水に見せかけ流した」 故事から、樽水と呼ぶようになったとも言われる。 名取市に、滝淵堤(愛島塩手)・宮下堤(愛島塩手)・金神堤(愛島塩手)・ 仮がね堤(愛島塩手)・大堤(愛島笠島)・猿猴沼(閖上/ゆりあげ)等がある。 |
Reference Books. | ||
○コンサイス地名辞典(日本編) | 1975(昭和50)年01月30日第1刷 | |
谷岡武雄他監修 三省堂編修所・編発行 | ||
○日本のへら鮒釣り場写真集 | 1985(昭和60)年12月15日 | |
日本へら鮒釣研究会 編発行 | ||
○仙台市史 特別編1自然 | 1994(平成06)年03月31日 | |
仙台市史編さん委員会 仙台市 | ||
○読売新聞 | 1994(平成06)年09月25日 | |
読売新聞社 | ||
○宮城県統計年鑑(平成12年版) | 2001(平成13)年03月 | |
宮城県企画部統計課・県統計協会 編発行 | ||
○宮城県の河川と海岸 | 2001(平成13)年03月 | |
宮城県土木部河川課 |