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| 0070 |
| 尼ケ台池(あまがだいいけ)amagadai pond. |
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| 千葉県長生郡長生村(ちょうせいむら)本郷字市ケ谷 |
1地形図 | 茂原4597, |
分 類 | 池 |
別 称 | 尼ケ台の溜池、市ケ谷の池 |
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★JR外房線八積(やつみ)駅より、北へ約1.8km。 ★京葉道路千葉東JCTより、千葉東金有料道路に入り、 東金ICより、東金九十九里有料道路に入り、 真亀(まがめ)料金所の先(T字路)を右折・南下。 長生ICを出て(T字路)、右折・西進。道なりに進み、左側。 ★国道128号を下り、茂原市街地を抜け、阿久川を落合橋で渡って、 “早野新田”の信号(左ト)を鋭角に左折・北上。 JR外房線を過ぎたら500m先の信号を右折・東進。 約2kmで、茂原市から長生村に入ると、右側に見える。 |
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| 約15,000m2 |
| 2m |
| 30,000m3 |
| 不詳 |
| 原型は往古。 |
生息確認年月 | 2000(平成12)年09月15日確認。 |
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貸しボートなし。トイレ・無料駐車場・東屋は公園にあり。 |
Special Feature | 尼ケ台総合公園内に位置する、幅30m・長さ500mで「フ」の字型の池。 |
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池の内側は公園で、池の外周には、歩道が整備されている。 全週にコンクリートの垂直護岸が施され、足場と水面の距離(比高)は、1.2m程度である。 水面は、ほとんどオープンだが、ボトムは全域に金魚藻(オオカナダモ)が自生している。 一瞬、ギョっとするほど大量の金魚藻だが、良く見ると水面にタヌキモ(タヌキモ科)がある。 食虫植物・タヌキモの自生地は、県内で唯一ここだけとされ、とても貴重な存在だ。 水色は非常にクリアーだから、底藻の上にブルーギル・ライギョ・鯉・BASSの泳ぐ姿が見える。 水槽好き(アクアリウム)には、垂涎の場所で、マコモ・ガマも生え、見飽きない。 尼ケ台公園内の湿地(元は自生地)に、食虫植物・コモウセンゴケもある。 公園内の釣り・鳥獣魚捕獲殺傷・木竹&植物採取は禁止されている。 |
History | 風や海流により砂嘴が成長し、河口を塞ぎ屈曲させる。 |
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縄文時代に形作られた湖沼群の一つと、推定される。 柳田国男は云う「上総の海岸などについていうと、成東から大多喜までの丘陵地の外に、これと ほぼ併行して、いくすじかの低い砂丘と湿地とが波をなしているのは、右の経過を記述するもの で、いったん砂が押しよせて川口が屈曲すると、その次の大水はこれを突きやぶって直通し、 旧河道を廃物とし、かついくぶんかその水を排水し、さらにその外に出てまた屈曲しはじめる のである。」(地名の研究・43・新潟および横須賀) |
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長生村は1953(昭和28)年、高根本郷村・八積村・一松村の3村合併により誕生した。 1913(大正02)年発行の長生郡郷土誌によれば、高根本郷村は「土地平夷にして、山河なく、 所々に沼沢あり、低湿の地多し」とされ、一宮町の部には「八積村の如きは、到る所の低湿地に 食虫植物を産し、就中 石龍牙草(よしさん注:イシモチソウ)の如きは、原野一面に繁生する 所あり」とも記載され、往年の風景を想像するに難くない。 |
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古くは大旱魃の1933(昭和08)年、溜池が改修され、近年のほ場整備は、次の通りである。 両総土地改良区長生工区は、東の内谷川、西の両総幹線用水、南はJR外房線、北は内谷川 東郷支線に囲まれた、茂原市・長生村・白子町の820haに跨る。 1955(昭和30)年代から、内谷川沿岸排水路開発、両総用水高根支線も開通し、用水・排水共 に改善されたが、肝心のほ場は未整備であり、1965(昭和40)年有志16名が県へ、ほ場整備 事業申請、並びに準備委員会設立。 幸い1966(昭和41)年04月、千葉県営ほ場整備事業として採択、農林大臣認可を得て着工。 1967(昭和41)年02月、長生工区が設立され、その受益面積は820ha、区画基準は30a、 水路総延長130km、橋梁59ケ所、大樋門9、地下水止62ケ所、新道路120kmに および、総工費21億円を要して、1978(昭和53)年02月、竣工。 同年03月登記完了、1991(平成03) 年度に償還金完済、1997(平成09)年03月21日解散記念 式典挙行、同年04月30日解散。 その用水は、両総用水・内谷川・大関堰から11の揚水機場により、排水は内谷川を経て 南白亀川(なばきがわ/流路延長21.7km,流域面積107.3ku)から太平洋へと流下する。 池辺に「総南の海青く、天に連なり・・」と、格調高い竣工記念碑(題字:千葉三郎)が建つ。
上田 稔は『陸水の植物の生態』第2部にタヌキモを記述している(23〜24pp)が、 惜しいことに、観察地と観察日が未記載である。 また、1984(昭和59)年発行『千葉の生物』の「淡水産藻類の観察」に、尼ケ台の池 があり、「岸近くには、沈水植物のフサモが生えている。動物では、ミジンコ、輪虫などの プランクトン、プランクトンを餌にしている淡水エビや水生こん虫、さらに淡水魚のフナ、 ヘラブナ、コイなどがすんでいる。」(102pp)とあるが、今度はクンショウモと珪藻 のみを取上げ、尼ケ台の池の稿でタヌキモに触れていないのは残念である。
尼ケ台池は1989(平成元)年に、尼ケ台総合公園(電話0475-32-0997)として整備され、 無料駐車場隣に、尼ケ台農産物直売所(電話0475-32-5237)がオープンしている。 秋のお勧めは、もちろん新米で長生村のコシヒカリ5Kg(精米)が¥1900と、お得。 よしさんは、市原育也さんの新米を美味しく賞味した。 一粒(一株ではない)が5cmもあろうかという、見事な無臭ニンニク(1袋5〜6ケ入) ¥280もお勧め品で、よしさんは菊池 章さんのニンニクを生と加熱調理で頂いた。 長生村内に、大関堰(本郷・釣りは禁止)、鵜沼堰(七井土・ヘラブナ&BASS)等がある。 |
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東金九十九里有料道路(通称波乗り道路)の長生ICを出て(T字路)、右折した所が 「オーシャンスパ九十九里 太陽の里」(電話0475-32-5550)である。 砂風呂・露天風呂をはじめとする長生温泉や、ボディーケア・各国式エステのリラクゼーション、 カラオケルームも備えられ、部屋も本館・ペンション・コテージ・露天風呂付き別館と、選択肢 は豊富で、嬉しく、付近一帯の基地としてお勧めしたい(よしさんは本館201に宿泊した)。 特に本館5階部分に相当する「天空の湯」は、沸かし湯ながら、起伏の少ない九十九里平野の、 地平線と水平線が眺められ、湯あがりに(日没以降なら)太東埼灯台の閃光を10秒間隔で 堪能できる、よしさん推奨のスペシャルシークレットポイントだ。 長生ICを出て(T字路)、左折すれば、100mで九十九里の砂浜(の一角)に達する。 空と海と砂だけで、他に何もない風景の中、風に吹かれたい人には絶好のポイントであろう。 |
Reference Books. | ||
○長生郡郷土誌 | 1913(大正02)年05月21日 | |
長生郡教育会 | ||
(影印版)1976(昭和51)年06月20日 | ||
崙書房 | ||
○千葉県統計年鑑(昭和42) | 1968(昭和43)年03月25日 | |
千葉県企画部統計課 | ||
○地名の研究 柳田国男 | 1973(昭和48)年05月30日7版 | |
角川文庫 角川書店 | ||
○陸水の植物の生態 上田 稔 | 刊記なし(1979)年以降 | |
135pp,私家版 | ||
○千葉の生物 上田 稔 | 1984(昭和59)年06月 | |
122pp,私家版 |