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| 0066 |
| 戸面原ダム(とづらはらダム) Tozurahara dam |
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| 千葉県富津市戸面原 |
1地形図 | 鬼泪山(きなだやま)6196,6197,金束(こずか)6706, |
分 類 | ダム湖(潅漑用) |
別 称 | なし |
| JR内房線上総湊駅から、南東へ約10km。 国道127号線(内房なぎさライン)を下り、富津市に入る。 "湊"信号を左折し、国道465号線を東進。 "環"バス停・郵便局の信号(Y字路)を右。 県道富津・館山線を湊川沿いに南下。 豊岡橋と戸面原橋を渡れば目前。 |
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| 不詳 |
| 不詳 |
| 79,000m3 |
| 不詳 |
| 1980(昭和55)年 |
生息確認年月 | 1993(平成05)年10月09日確認 |
| 貸しボート1軒・公衆トイレ・売店・駐車場なし。 |
Special Feature | 2大インレット以外は、水面と足場の高さが違い、 |
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陸からは釣り辛い。ボート釣りが本命の釣り場であろう。 貸しボート店は、BASS狙いの釣り人には「貸さないボート店」 とは、これいかに。 BASSは30cm級が主体で、陸から釣るのが現状。 ヤマベ・鯉・鮒等も生息。 三島湖 (別項参照)等と同様、ヘラブナの団体専用釣り場の感がある。戸面原ダムでは、マイボート持ち込みやフローターは禁止されている。 |
History | 二級河川・湊川水系湊川(流路延長43.0km,流域面積104.1ku) |
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上流部に、千葉県(農林部)が完成させたアース式ダム。 堤高 30.50m・堤頂長115.0m・有効貯水量3,860,000m3である。農業用に、毎秒 1.163m3が取水される。このダムは、設計思想が古く、治水と利水面の観点だけで作られて いるため、親水性に欠ける。 そのため、訪れるのはヘラブナ狙いの釣り人だけとなり、観光客等 は寄りつかない。ダムのおかげで地元経済上で潤うのは、 特定の貸しボート店のみとなる。 これでは町起こしの足しにもならない。 行政は「水辺」をスローガンとした、キレイゴトを言うことが多い けれど、地元の子供達が水に親しめない。 危ないから水辺に近寄らせないと言う方針では、水の何が危険で 何が安全なのかさえも、理解・習得できていない青年になり、 成人となるだろう。 近寄れない・親しめないとなれば、水域に目が届かず愛着も沸かぬ ことになるのは、必至であり、気が付けば水面はゴミだらけ・ ヘラブナ釣り人が投入した、膨大な有機物(餌)で水質は富栄養化し、 さらには住民の水防意識の欠如を招くのは当然の帰結だ。 それで良いのか。 |
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柳田国男は「地名の研究」で、 「諸国の山村に多いトツラまたはツツラの地名は、しばしば 谷川の岸であることと、東北ではもっぱらトツラと言い、 中央部から西ではツツラばかり多いのを見て、二者は共に藤その他の 蔓 (つる)類を意味し、その地名の発生した事由は、単にこの植物の多くある所と言うだけでなく、これを採取して最も利用する作業、 つまり筏 (いかだ)を組むわざに便宣の多かったことにあると考えている。」と言っている。 現地を照合し、よしさんも柳田説を信じる。 富津市に、関尻の堰 (関尻)・石山湖(御代原)等がある。戸面原ダムの流末は、湊川に入り、東京湾へ下る。 |
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貸しボートは、戸面原ダムボートセンター (電話0439-68-1587)が営業中だが、ヘラブナ釣り専用でBASS釣りには貸せないとの 返事をもらった。 その理由は、ボート店の主人がながらく、ヘラブナを放流してき たからというもの。放流事業はヘラブナが漁業組合の認定魚種ならば、 漁業組合の当然の義務であって権利ではありません。 入漁料を徴収するのなら、例えば「ヘラブナは漁業権認定魚種であるが、 放流の義務を留保して今年は放流しない」等の台詞は言えないのです。 *** 個人の資格でヘラブナを放流したとしても、放流した本人が入漁料を 徴収できるものでもなく、放流事業と貸しボート営業とは、全く別の 許認可であり、次元です。 公有水面の貸しボート営業は、公有水面の管理者 (例えば千葉県知事)から水面と桟橋の設置・使用許可を得ることが必要です。 しかし、その許可の条件がヘラブナ釣り専用であるはずは無く、 BASS釣りには貸せないとの理由は、全く不可解なもの。 一方でボートを貸さず、他方でマイ・ボートの持ち込みは禁止と 一方的に宣言しても、大方の理解は得られないのが道理。 むしろ、1軒のボート店のエゴイズムそのものと解釈されて、強烈な 反感をかうのがオチだろう。 河川法にある公共の水面を私権の目的としたことと、みなされるのでは あるまいか。 戸面原ダムボートセンター並びに関係者の、再考を希望したい。 |
Reference Books. | ||
○千葉県統計年鑑(昭和42) | 1968(昭和43)年03月25日 | |
千葉県企画部統計課 | ||
○地名の研究 柳田国男 | 1973(昭和48)年05月30日7版 | |
角川文庫 角川書店 |