シークレットポイント Secret Points

鋸山ダム位置図

整理番号
0064
名 称
鋸山ダム(のこぎりやまダム) Nokogiriyama-Reservoir
所 在 地
千葉県安房郡鋸南町元名
2万5千分の
1地形図
保田6617,6618,6627,6628,

分 類

ダム(上水道用)

別 称

なし
それ行け! アクセス

JR内房線保田駅より、北東へ1.5km。
国道127号線を南下し、明鐘トンネルで鋸山をこえたら、
"元名(もとな)"バス停(信号なし)を左折。
JR内房線を渡り、直進約1.3km。
湛水面積
不詳
最大水深
12m
有効貯水量
131,000m3
流域面積
不詳
完成年月
1961(昭和36)年
BASS
生息確認年月

1995(平成07)年12月27日確認
ボート店

貸しボート・トイレ・売店・駐車場なし。
堤体も古色蒼然
特 徴
Special Feature
馬の背、水没立木、スタンプ等のストラクチャーはある。

残念ながら立入禁止で、釣りも禁止され、周辺はネットフェンスで

囲まれる。水色は、グリーン系統。

岸はダム湖特有の絶壁状で、アプロ−チは困難。

冬季は減水する。

上流方面
由 来
History
鋸南町の上水道水源として、元名川水系元名川に鋸南町が、

1960(昭和35)09月起工、工事費169,500,000円を投じて完成した。

堤高19.40m・堤頂長55.5mの、重力式コンクリ−トダムで、

その総貯水量は、147,700m3、有効貯水量は131,000m3である。

上水道用に、毎秒0.0375m3が取水される。

鋸南町に、元名ダム(元名/上水道水源用)・佐久間ダム(別項参照)

  • 山田堰(下佐久間)・堤ケ谷堰(下佐久間)・竜島堰(竜島)等がある。

    大河川のない房総半島の水事情の一例として、元名ダムの概要を

    あげてみよう。

    元名ダムは鋸南町の水不足をおぎなうため、小磯川水系小磯川に

    1980(昭和55)年、町が完成させたア−ス式ダムで、堤高28.20m

    堤頂長69.0m・有効貯水量は76,000m3のミニダムである。

    上水道用に、毎秒0.02847m3が取水される。

    さらに元名川水系野々倉川には、有効貯水量45,000m3の

    極小ダム(野々倉ダム) も、町によって計画されていて、観光客の

    多い夏の水需要量をいかにしてまかなうのか、難題をおしつけ

    られる地方自治体の深刻さがわかる。

  • 立ち入り禁止です

    鋸南町はまた、江戸時代初期から沿岸捕鯨の基地として栄えた所でも

    ある。獲物は小型の、ツチ()(BOTTLE-NOSED WHALE)でイルカに

    近い歯鯨の1種である。同じ房州の捕鯨でも、当時の和田浦(現・安房

    郡和田町)特有のツチ鯨獲りとは違って、勇壮な紀州・太地(和歌山県)

    と同様の、羽刺しが海中に潜って、鯨を刺す捕獲法が伝わっている。

    鋸南町に捕鯨を伝えたのは、醍醐新兵衛定明[さだあき1630(寛永07)

    1704(宝永01)年没]とされる。

    町の水がめ

    秀人の「私本 釣魚大全」に、心ないヘラブナ釣師の話がある。

    「金山ダムの橋の下で、その地元釣師が釣っていた午後、東京の

    ヘラ師が橋上を通りがかり、高い吊り橋の上から、フラシ一杯の

    ヘラを落した、というのだ。もちろん、水面に激突したヘラは

    白い腹を上にして死んでしまった。(中略) 東京やその周辺から

    来たヘラ師は、魚の保存も考えずに、三つのフラシに十キロずつ

    以上つめ込んで、無神経にも、ときどき持ちあげては自慢していた、

    という。乗っ込み時にそれだけ釣れたのはウデではない。

    その証拠に、今年、ヘラに入門したばかりの中学生でさえ軽く数

    十枚もあげたのである。驚いた地元有志が数名あつまって、抗議

    したので、その乱暴ヘラ師はしぶしぶ放流した、というのである。

    しかし、小さなフラシに口元までいっぱいヘラを入れた結果、

    ヘラはみなウロコから血を流していた。(中略)

    はっきりいえば、例会で魚を釣ろうというのは無理な時代になっ

    たわけで、そうとすれば、例会はお祭り、あるいは一種の親善

    パーティーと考え、混雑承知で大場所でやるか、長門川や幹線

    水路系の河川でやれば、場所も広大だし、大騒ぎもできると

    いうものであろう。」

    よくぞ指摘してくれました。加えて、よしさんの気に入らぬことは、

    大体において、徒党を組む(〇×ヘラ研△△支部等・一人じゃ釣り

    にも行けんのかね)、もったいぶった名を名乗る(例えば〇〇魚水・

    △△逸魚などで釣号と称されるらしい。アホクサッ)等だが、

    根本的なのは、水質汚染に加担していることだ。

    森があって、水がある

    ノーテンキなことに、それさえ自覚していないヤカラが多いのは、

    ナゲカワシイ。

    ヘラブナは寄せて釣るのだから、水中に早く・広く・効率的に

    拡散する、寄せ餌を打ち込む。寄せ餌とは、澱粉系の有機物で

    あり、さなぎ粉であり、魚粉である。それが湖沼等の閉鎖性水域

    の富栄養化を直接、確実に助長している。

    ましてや例会と称する、何十人もの団体でのヘラブナ釣りは、

    「地球環境に優しく」が叫ばれる昨今では「富栄養化促進大会」

    と呼ぶべきものであって、私有地の釣り堀なら兎も角、

    公有水面では見すごせる問題ではない。

    アオコの発生や、水の異臭・異味に、つながるからだ。

    ヘラブナ釣師と練り餌メーカーは、閉鎖性水域・例えば手賀沼や

    印旛沼(別項参照)、あるいは公有水面で、水質汚染の加害者で

    あることを強く認識すべき時代だと、指摘しておこう。

    もっと知りたい貴女に
    [参考文献]
    Reference Books.
    ○巷談・房総人国記 高橋在久監修 1978(昭和53)年12月01日
    ちばぎん房総シリーズ1 千葉銀行
    ○私本釣魚大全 森 秀人 1979(昭和54)年11月02日初版
    角川書店

    2000年04月01日発表 Release.
    2005年09月26日一部修正
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