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| 0049 |
| 荒木根ダム(あらきねダム) |
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| 千葉県いすみ市(旧夷隅郡夷隅町)大野川目・夷隅郡大多喜町・勝浦市 |
1地形図 | 御宿6402,6403,6412,6413, |
分 類 | ダム湖(上水道用、潅漑用) |
別 称 | なし。 |
| いすみ鉄道国吉駅より、南西に約4km。 国道297号線(大多喜街道)の大多喜から、国道465号線に入り東進。 夷隅町の"大野入口"バス停の信号を右折。 県道天津小湊・夷隅線を南下。 約4km先の橋を渡って(右トを)右折。 |
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| 20.3ha |
| 00 |
| 2,052,000m3 |
| 320ha |
| 1977(昭和52)年。 |
生息確認年月 | 1986(昭和61)年08月確認。 1999(平成11)年01月確認。 |
| 貸しボート・トイレ・売店なし。駐車スペースあり。 |
| 英語のUの字を、もっと開いた形状のダム湖。 |
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インレットは、左右の2ケ所。湖岸半周の道はある。 250mの直線堰堤からは、楽にキャスト出来る。 水色は、クリアー。 BASSは、30cm級が主体。 絶壁・馬の背・水没立木・シャロー・ドロップオフ等もある。 2〜3m減水すると、岸に足場が得られ、狙い易い釣り場となる。 ヘラブナ・鯉・ブルーギルも生息。 |
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ボートは使用禁止にも拘わらず、持込み組が多い。 こういう輩に限って、自分のライフジャケットも持たず、 ゴミは放置で知らぬ顔の阿呆が多い。 湖水の水質悪化(富栄養化)防止のため、撒き餌は禁止です。 釣り禁止ではないのだから、ルールを守って、楽しみたい。 よしさんは、1991(平成03)年06月02日、BASS46.0cmを キャッチ&リリースした(もち、陸っ張りです)。 |
| 夷隅川(流路延長67.5km,流域面積299.4ku)は、 |
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自噴する天然ガスや、かん水(塩分を多量に含有)、工場廃液、 畜産の屎尿等で汚染され、農業用水・工業用水・生活用水の 水源として苦難となり、更に戦後の経済変動もあって、 夷隅郡内最高の過疎地帯となった。 この鉱毒対策に苦心の末、町はダム建設を国・千葉県に働きかけ、 1971(昭和46)年春、ようやく認可となる。 千葉県農林部が、1971(昭和46)年着工。 1976(昭和51)年10月、水門の閉塞式を挙行し湛水開始。 1977(昭和52)年に完成させたアース式ダム。 堤高33.5m・堤頂長302.0m・堤頂標高78.5m・常時満水位75.2m、 有効貯水量は、1,947,000m3である。 同時に飲料水確保のための、簡易水道敷設工事も完成し、 町の水問題が解決した。 |
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荒木根ダムから農業用水として、0.677m3/秒の放水により、 夷隅川の塩分濃度が希釈され、潅漑では、夷隅町・岬町を含む 1,500haの農地が、塩害から救済された。 水質維持のため、ボトムと表層を循環させる、揚水筒(エアーリフト)が 水面下に設備されている。 直撃されると、アルミボートは簡単に転覆するだろう。 堰堤の水銀灯は、不調で日頃は消灯していることが多い。 夷隅町の事業として、荒木根ダムを中心としたリクリエーション施設の 計画もある。 流末は、大野川を経て、夷隅川へ合流する。 |
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夷隅町に、小高堰(小高)・谷の堰/権現堂の堰(島)・小原谷堰(荻原)・ 北ノ谷堰(荻原)・滝ノ台堰(作田)・作田堰(作田)・万木の大堰(万木) 等がある。 夷隅町郷土資料館(電話0470-86-3708/月曜・祝日・年末年始休館)は、 いすみ鉄道国吉駅より徒歩10分の弥正にある。 日本画壇の一大流派、狩野派の始祖狩野正信が夷隅町の出身であり、 展示テ−マも夷隅町の歴史と、狩野派の絵画である。 別称を田園の美術館と言われる由縁。 |
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冬に因んで、タナゴの話を紹介しましょう。 タナゴは、田名子または田子とも書く。 種類は多く、アブラボテ・イタセンバラ(ビワタナゴ)・イチモンジタナゴ・ カゼトゲタナゴ・カネヒラ・スイゲンゼニタナゴ・ゼニタナゴ・タイリクバラタナゴ・ タナゴ・タビラ・ニッポンバラタナゴ・ミヤコタナゴ・ヤリタナゴ等が、 知られている。 ミヤコタナゴは、日本特産の淡水魚で、学名も1909(明治42)年、 報告者田中茂穂博士の名を冠してTanakia tanago である。 関東地方に少数生息していたが、宅地造成・開発・農薬・化学肥料・ 洗剤・圃場整備や、外来同種のタイリクバラタナゴ[1942(昭和17)年頃 中国より移入]によって急激に減少した。 1974(昭和49)年、国の天然記念物(淡水魚第1号)に指定されたが、 千葉県に少々、埼玉県と神奈川県は絶滅寸前となった。 |
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千葉県では夷隅郡の河川上流部(場所は特に秘す)のみに生息し、 ナナイロブナ・ミョウブタ・ジョンピー・オイランブナ等の地方名を持つ。 ミヤコタナゴは、水の澄んだ湧水のある池や小川に住むが、 水が汚染され富栄養化すると、タイリクバラタナゴが増える。 タナゴ類は、マツカサガイやタガイ・イシガイ・カラスガイ・ドブガイ等の 二枚貝に産卵するので、貝の保護は重要だ。 タナゴ釣りの歴史は古く、タナゴ釣りを描いた、時代小説もある。 『たなご大名』(潮見三郎・つり人ノベルズ3・つり人社)をお勧めする。 1949(昭和24)年再刊の『釣魚手帖』では夷隅川の魚類に、ボラ・ ウナギ・ドジョウ・コイ・フナ・ハゼ・エビ・クロダイ・アユ・ウグイ (ハヤ)・オイカワ(ヤマベ)を挙げている(154pp)。 |
○釣魚手帖 松崎明治 | 1949(昭和24)年01月25日 | |
丘書房 | ||
○釣り十二カ月 佐野孝 | 1968(昭和38)年08月30日第6刷 | |
(実用新書33) 池田書店 | ||
○千葉県統計年鑑(昭和42) | 1968(昭和43)年03月25日 | |
千葉県企画部統計課 | ||
○夷隅風土記 森輝 | 1978(昭和53)年03月25日再版 | |
千葉県文化財保護協会 | ||
○日本列島産淡水魚類総説 青柳兵司 | 1979(昭和54)年04月01日復刻版 | |
淡水魚保護協会 | ||
○月刊TACKLE BOX No.59 | 1987(昭和62)年01月 | |
フリーウェイ |