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| 0004 |
| 乾草沼(ひぐさぬま)Higusa Swamp. |
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| 千葉県山武郡(さんぶぐん)横芝光町宮川 |
| 沼(農業用ため池) |
| ほしくさぬま・宮川沼 |
| JR総武本線飯倉駅より、南へ2Km。 |
国道126号線を下り、横芝町に入り、“本町”信号を右折。JR総武 | |
本線を渡って市街地を道なり東進。栗山川を栗山橋で渡り、直進。 | |
旧光町役場・町民会館の交差点を右折南下。600m先(左ト)を左折。 | |
運送会社をすぎ、ホテルさつき看板の先30m(左ト)を左折。 | |
大木自動車まで行くと、行き過ぎです。 | |
| 不詳 |
| 1m |
| 統計なし |
| 不詳 |
生息確認年月 | 1983(昭和58)年02月12日 |
| 貸しボートなし、トイレ・売店なし、駐車スペースあり |
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みなさん!乾草沼は、ノーマークだったでしょ! 今月は、いよいよ秘中の秘をご紹介しましょう。 ハッキリ言って、ここは草深い田舎です。 写真でおわかりのように、本当に草が深いのです。特に夏草は。 乾草沼(ひぐさぬま)は、周囲500m程の三角形の池が主体。 冬季はオープンウォーターだが、夏季はほぼ全面が菱藻とマツモ(金魚藻)のカバーとなり、近年はハスも繁殖してきた。 水深が浅く、藻面(もづら)は水面に達する場所が多い。 ということは、魚から見れば夏の日中でも適当なシェード(日陰)が得られ、活性を高く保てることになる。 さてお立ち会い! おもしろいのは、ここからだ(マウスから手を離してネ) |
不思議な沼、乾草沼は三角池が主体。当然、主体でない水面もある。 更に、主体でない水面で50アップのBASSを釣った(1996年夏・パドルテール)少年と遭遇してしまったのです。 ここは適当な場所に駐車して、身軽に歩き回る釣り場で、水面を分断する道路の下は、暗渠で繁がり、足場は良い。 水面はクリアー。小島あり。70cm級の雷魚やマブナも生息。 乾草沼のブラックバス、1996年の実績は、50アップが4尾です。 2007年05月の調査では、ブラックバス10〜15cm級や20cm級、コイ60〜70cm級、ブルーギル多数、雷魚30cm級、ヘラブナを確認した。 鳥類は、カイツブリに加え、カワウ1羽の潜水も確認(なんてこった)。 ヘラブナ釣りファンには、麦わら帽子の釣り人・大崎紀夫が『へらぶな釣り』で 「乾草沼」を紹介している(2004年01月27日〜02月08日取材)。 |
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椿の海が入り江であった時代を過ぎ、太平洋側に砂州が延び汽水化し、更に海岸線が後退した頃(縄文時代後期か)、椿の海から
流出する水が海流に押され、出口を失って形作られた湖沼群の一つ、海跡湖と推定される。 海老川沼等の成因も同様であろう。 1883(明治16)年の大日本帝国参謀本部陸軍部測量局の迅速 測量図「八日市場村」に乾草沼から道の口沼へと連なる、幅400m 長さ約4400m・中の島4ケの、池沼が見える。 図上から、乾草沼水面の最大幅450m・平均幅200m・長さ1300m・ 中の島1ケ(短径100m・長径280mの楕円形)が解る。 これと平行して、現在の国道の南に、川口沼まで続く長さ約8000m の湿地・湖沼群もあって、その成因を立証している。 時代は下って、1920(大正09)年08月07日、 識者、向後四郎左衛門を代表に宮川耕地整理組合設立許可を 申請、同年11月15日認可、同年12月24日、宮川区域414町の 耕地整理に着工。 乾草沼・海老川沼あわせて51町余のうち、開田19町余、開畑15町余を造成。 更に揚水機場設置・用排水路掘削・道路造成・橋梁暗渠の構築がなされると共に、乾草沼を掘削・拡張、その貯水量は 増大され、東陽村字宮川一帯の用水源として利用された。 1921(大正10)年発行の千葉県匝瑳郡誌に「宮川に宮川沼あり 面積159、000坪」と記載されているのが今の乾草沼である。 川口沼等と同様に、米の増産という時代の要請・農業政策により、 1953(昭和28)年11月、乾草沼土地改良組合に払い下げられ、 順次水田化・農業用宅地化され、1962(昭和37)年07月土地 改良事業完成。 当時は、ため池の約7町余について利根水産株式会社の漁業権が 認められ、水利権と両立した状況にあった。 |
この間、自生していたモウセンゴケ・イシモチソウ・ミミカキグサ・
タヌキモ等の食虫植物群【1957(昭和32)年09月01日八日市場市
文化財に指定】は次第に枯死し、消滅した。 1980年代から農業用以外の宅地造成もされ、1994年には北東 の流出口近くに、乾草沼を2分する形で道路が建設され、自然環境は 自治体により大きく破壊が進行し、水面積はまたもや狭められた。 2007年05月現在「貴重な昆虫(イトトンボ)の住む乾草沼の 自然を守りましょう」という自治体設置の看板が、新道路脇に掲げら れており、この自治体にもブラックジョークを理解できる看板設置 承認者がいることと、よしさんは心強く思う。 漁業権のない水面は、魚類の増殖努力がなされぬだけでなく、水辺の 自然環境を大規模に改変することを容易とする好事例だ。 生活する人間の(トンボより道路という)エゴを通し、かつ、自然を 守ろうと呼びかける2枚舌看板に、矛盾と欺瞞を感じずにいられない。 残念なことだ。 いくつかの水面が辛うじて現在の 乾草沼を構成している。 流末は、大布川(河口は成田山新勝寺本尊上陸地点と伝わる)に 合流し、太平洋に注ぐ。 付近に、坂田池がある。 |
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開高健曰く。 「山師にいわせると海はポイントが自分で探し出せないで船頭に たよることになるから60パーセントから70パーセントは船頭の 功績だということになり、海師にいわせると一度荒磯や深海の大物と 全身の力をふりしぼってたたかう味をおぼえたらヤマメ釣りなどと いうチョコマカした小手先芸などおかしくって、ということになる。 この二派のほかに、山だろうと海だろうと釣りなら何でも手を出す という一派もある。釣りには行かないで道具ばかり集めている一派も あり、本ばかり読んで満足している一派もある。」 そこで、“本ばかり読んで満足している一派”をちと追求することにかかる。 この一派は、かなり複雑怪奇であって、まずは正調の読書派。 釣りに関する本を次々に読破、その際購入しようが図書館で借り ようが気にせずという特徴がある。 次に蔵書派。明治時代以降に出版された釣り本、約一万冊の コレクションで有名な名古屋の金森直治氏あたりが筆頭で、中に は世界中の各国語で出版された“釣魚大全”だけを収集する奇人 もいて…、いやはやこれはこれは。 さらに、収集した釣り本をほとんど読まず、背を眺めては悦に入り 収集そのものに情熱を燃やす収集派。 このへんになると、 開高健の言う「なにげなく新刊書店へ入っていき、店内いっぱいに あらゆる色彩とことばでオレが、オレがとわめきたてているような 雰囲気にたじたじとなりながら棚を見ていくうちに(後略)」 程度では到底飽き足らず、書斎に「全国古本屋地図96」等を備え て、釣りにも行かず、もっぱら古本屋巡りに精を出す、トンデモナイ 釣り人(?)となるのだ。 もちろん関心は、未入手の釣り関係の珍本である。 この一派、日常生活も何かキョロキョロと目を飛ばし、挙動不審気味 である。 はたまた他の一派との掛け持ち派(山師で読書派etc)もある。 さすがに釣りは、楽しみの幅が広いものである。 |
栗山川河口近くの横芝光町屋形に、とん亭九十九(つくも)があり、 (電話0479-82-0840 11:00-15:00 17:00-21:00 月曜夜&火曜定休) とんかつ・海鮮好きには、ぜひお勧めしたい。 |
| ○八日市場市の歴史と民族(第1号) |
○千葉県匝瑳郡誌 | |
○ルアー&フライ秘密の釣り場 井上博司 | |
○光町史 現代編 光町史編さん委員会 | |
○白いページ1(角川文庫4094) 開高 健 | |
○ここまで狂えば秘伝釣り 山背竜二 | |
○千葉県自然観察ガイド 千葉県生物学会 | |
○へらぶな釣り 大崎紀夫 | |