ＪＲ外房線長者町駅より、西へ約３ｋｍ。

国道128号線を下り、キグナス石油の"東浪見"信号(歩道橋あり)を右折。

ＪＲ外房線を陸橋で越え、"岬町桑田"信号を右折。

５００ｍ(前玉神社の看板あり)先の農道を、右へ入る。

３つのワンド（インレット）と、岬を持つものの、周囲に小道が無い。

長さ約１００ｍの堰堤は、盛土均一式だが急傾斜で、堤体積が

少ない。

いわゆるカミソリ堤で、構造強度が何とはなく恐い。

取水は２ケ所の斜樋、水色はマッディー。

ボトムは土と泥、水面は、オープンである。

鯉・鮒・アメリカザリガニ・ウシガエル・シロヘビ等が生息。

残念ながら、ＢＡＳＳは未確認である。

他の堰と同様に、夏季（潅漑期）は減水する。

大堰の北西端に、前玉神社【1803(享和03)年銘の御手洗が奉献

されている。社殿の鶴の彫刻も見事】がある。

岬町に、夷隅川(流路延長67.5km,流域面積299.4k�u,/別項参照)･

鵜熊堰(別項参照)･岬ダム(別項参照)･峰崎堰(桑田)等がある。

１９４９（昭和２４）年再刊の『釣魚手帖』では夷隅川の魚類に、ボラ・

ウナギ・ドジョウ・コイ・フナ・ハゼ・エビ・クロダイ・アユ・ウグイ

（ハヤ）・オイカワ（ヤマベ）を挙げている（154pp）。

房州勝浦の老漁夫は、この星は｢三時ごろに水平線から三間ぐらいに

とびだす｣と言い、｢夜釣りに行っていて、ああ、もうトビアガリがあんなに

高くなったから、そろそろ帰り支度すべえなどと言う｣。

トビアガリボシ(飛び上り星)・カケアガリボシ(駆け上り星)は、

金星のこと。

野尻抱影の｢日本の星/星の方言集｣には、７００種類もの星の和名が

紹介されている。

中にずばり、うおつりぼし(魚釣り星・さそり座の異名)もある。

星の方言には、房総に因むものもまたあって、同書に曰く。

[カズサノオショウボシ(上総の和尚星)アルゴ座、

ダイトウボシ(大東星･太東星)アルゴ座、

メラデ(布良沖)アルゴ座、メラボシ(布良星)アルゴ座]

釣り人が興味を持ちそうな星には、[イカリボシ(錨星)カシオペア座、

ウフナブシ(船星)大ぐま座、カジボシ(舵星)大ぐま座、

カーレンメ(鰈の目)ふたご座、サバウリボシ(鯖売り星)さそり座、

マナイタボシ(爼星)こと座]等があって、

一夜、それらの星を眺めるのも、また楽しかろう。