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| 0032 |
| 女ケ堰(おながせき) |
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| 千葉県長生郡睦沢町大上、上之郷、 |
1地形図 | 上総一宮5184, |
分 類 | 溜池 |
別 称 | おじゃが池、 |
| JR外房線上総一宮駅より、西へ約6km。 国道 409号線"高師"信号を南下。茂原市役所脇を通り、道なり直進で、県道茂原・大多喜線に入る。 長南町の "給田"信号を直進。1km先 (左ト/信号なし)の"地引中"バス停を左折。南茂原カントリークラブの先 (T字路ぶつかり)を左。約400m先 (右ト)を右折、杉山トンネルを出て左折。約1.5kmで、うるば橋。 |
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| 3m |
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| 1608(慶長13)年 |
生息確認年月 | 1996(平成08)年02月03日未確認 1998(平成10)年07月18日未確認 |
| 貸しボート・トイレ・売店・駐車場なし。 |
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小河川・端沢川(流路延長17.6km,流域面積75.3ku,)に設けられた、
堰である。 |
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丘陵を挟んで1km程北の長楽寺堰(別項参照)と類似した立地条件 である。 即ち、堰の北と南には、それぞれ東西に延びる尾根を持つ。 堰の周囲は当然ながら水田であり、山裾には農家が点在する。 堰水面は変則の+型。 水色は、ヨード系。 水面はオープン。 メインインレットに、うるば橋が架かり、サブインレットに飯沢橋がある。 サギ・カイツブリの生息を確認。 鮒もいると見た。 |
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上流の妙楽寺から鯨の下顎骨の化石、大上では肋骨の完全化石が
発掘された。 |
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女ケ堰の湖底には、縄文時代中期から弥生時代を経て、古墳時代に 及ぶおびただしい土器が堆積していた。 それは、いち早く原始集落が形成され、狩猟を主とした採集経済から、 原始農業への進展、当地の開発が古いものであることを示している。 1989(明治22)年04月01日、夷隅郡端沢村となり、1955(昭和30) 年07月20日町村合併促進法により、長生郡土睦村・長南町の一部と 合併し、長生郡睦沢村となった。 |
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慶長年間(1596−1614)、この一帯は毎年干ばつに襲われた。 大多喜城主本多忠朝は、1608(慶長13)年農民に命じ端沢川を せき止め、潅漑施設を作らせた。 折角築いた土手も、風雨により幾度となく壊され予想外の、難儀が あった。 水神や地の神の怒りではないかと、悩み苦しんだ村人は、ついに 人柱を立てる決心をし、堤で"おな"と言う若い女乞食が梅の実を 食べているのを見つけ、捕らえ無理やり人柱として土手に埋めてしまった。 築造工事は進展して、大雨にもびくともしない立派な溜池が完成した。 いつしか一本の梅の木が生えたが、その実はどれも半分 づつ欠けていたと云う。 これが、おながせきの銘々の由来である。 類似の伝説は坂田ケ池(別項参照)にもある。 |
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鋼鉄製の可倒式ゲート2基が設置され、非潅漑期間は水平に 倒されたゲート上を、川水が流下する。 貯水する場合は、ゲートを起こす構造である。 流末は端沢川から、埴生川(流路延長19.0km,流域面積49.8ku)を 合し、一宮川(流路延長37.3km,流域面積220.8ku)に注ぐ。 端沢川の支流鎮守川は、1995(平成07)年、農林水産省の新規事業 「農村自然環境整備事業(総合型)上総地区」に、一宮町の洞庭湖と 共に指定された。 改修が懸案だった鎮守川では、従来のコンクリート護岸をやめ、 玉石の護岸にする。 |
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同時に浅瀬や、深みを設けて魚や水生植物をそだて、 児童らの自然観察学習に役立てる。 この事業は、これまで個々に整備されていた農道・河川・溜池等を、 生態系保全の立場から連携して改修するもの。 2001(平成13)年完成を目指し、総工事費26億円(農林水産省が50% 13億円補助・千葉県が30%7.8億円・一宮町と睦沢町が20%5.2億円) をかけて千葉県が施工する。 鎮守川がコンクリートの水路化を免れ、親水事業で住民が近付きやすく、 親しみやすい川となることは、同慶の至りである。 僅かに1.8kmの区間であっても、次世代に讃称されるプレゼントに なるだろう。 住民の声・町の姿勢・千葉県と農林水産省の理解、それらに拍手&乾杯! 睦沢町に、猿田堰(上之郷)・小谷堰(下之郷)・大坊堰(下之郷)・ 表の堰(表)・今関堰(上市場)・夫婦堰(寺崎)・大谷木谷の堰(大谷木)・ 長楽寺の堰(別項参照)等がある。 |
○千葉県統計年鑑(昭和42年) | 1968(昭和43)年03月25日 | |
千葉県企画部統計課 | ||
○夷隅風土記 森 輝 | 1978(昭和53)年03月25日再版 | |
千葉県文化財保護協会 | ||
○都市と水 高橋裕 | 1988(昭和63)年08月22日第1刷 | |
岩波新書 岩波書店 | ||
○川を楽しむ | 1993(平成07)年07月15日1版4刷 | |
リバーフロント整備センター編 技報堂出版 | ||
○朝日新聞 | 1995(平成07)年09月27日 | |
朝日新聞社 |