|
| 0003 |
| 黒部川(くろべがわ) Kurobe-Reservoir |
---|---|
| 千葉県香取郡小見川町、東庄町 |
| 河川(多目的ダム) |
| JR成田線小見川駅・笹川駅より北へ約900m。 |
東関東自動車道路佐原・香取ICを出て“佐原香取IC入口”信号を | |
進み、県道香取・津之宮線を陸橋で越えて、国道356号線の信号を | |
(T字路)を右折東進。通称利根水郷ラインである。 | |
小見川町に入り“本町”信号を過ぎれば、左手一帯が黒部川だ。 | |
| …… |
| 4m |
| 48.0Km2 |
| 原型は不詳。現状は1989(平成01)年。 |
生息確認年月 | 1995(平成07)年06月18日 |
| 貸しボートなし |
Special Feature | 利根川(流路延長322Km、流域面積16,840Km2)をはさんで、 |
北に常陸利根川(流路延長25.5Km、流域面積…Km2)、南に | |
黒部川(流路延長17.5Km、流域面積48Km2/平均川幅100m強) | |
と3河川が平行する。 | |
これだけ広々とした空間の釣り場も珍しく、大場所で気分の良いものだ。 | |
あわてることは、ない。 | |
先着の釣り人が100人や、200人いたところで気にならない広大さが、 | |
黒部川の身上でもある。 | |
黒部川本流筋の辺地は水面から30cmほどの高さで、コンクリートの | |
垂直護岸になっている。 | |
岸辺は背丈ほどもある葦が生えて、野鳥のテリトリー。 | |
釣り人は、葦の切れ目から竿を出す、水門を狙う、橋桁もある。 | |
ドックや網干場、石積・消波板などもおもしろいストラクチャーである。 |
| 水色はクリアー。BASSは、下流方面で30〜40cm級が主体。 |
「よしさん」の実績では、最大47cmがリリースされている。 | |
JR鉄橋付近の中流で20〜30cm級が釣れるが、個体数は少ない。 | |
グット・コンディションで、力強く、ピンシャンのBASSを釣るのなら、 | |
黒部川はオイシイところだ。 | |
支流の玉川(流路延長3.4Km、流域面積7.5Km2)と桁沼川にも | |
BASSは、いる。 | |
東庄町(福祉環境課)では、鑑賞用に錦鯉を放流、その他に真鮒・ | |
イナ(ボラの幼魚)・連魚・鯉・ウナギ・ブルーギルが生息している。 | |
昭和初期の小見川のフナ釣りは、西澤邦次『釣魚随筆』に詳しい。 | |
佐原・小見川における戦前のウグイ(ハヤ)釣りは、土師清二も『魚つり随筆』 | |
「寒バヤ」(26pp)他で触れている。 | |
黒部川・橘堰・栗山川上流のタナゴ釣りは、益田 甫『河川の釣』に詳しい。 | |
昭和04年に潮来に住んだ太田黒克彦の『水辺随筆』は、利根川下流・水郷の | |
暮らしも描かれ興味深い。 | |
1953(昭和28)年発行『釣人の四季』「水郷の尺鮒」は、黒部川が舞台である。 | |
地元にも釣り人にも貴重な記録であろう。 | |
利根川河口堰下流のボラの引っ掛け釣りについては、大崎紀夫が『大崎紀夫の | |
にっぽん釣りあるき』に書いている(126pp)。 |
| 黒部川は、東総広域水道企業団(銚子市・旭市・香取郡東庄町・干潟町・ |
海上郡海上町・飯岡町の2市4町)と、銚子市水道部の水源ダムである。 | |
形状は河川だが施設名は黒部川貯水池で、有効貯水容量1,060,000m3。 | |
上水道用に、0.63m3/秒が、取水されている。 | |
河川管理は、千葉県香取土木事務所(管理課0478-52-5191)で、川の | |
異常(毒物・魚の浮上斃死・水質の変化)は連絡しよう。 | |
このエリアの野鳥は、ヨシゴイ・オオヨシキリ・セッカ・コジュリン・コヨリキリ | |
等がお馴染みだ。 | |
1987年(昭和62)年の調査では、この河川敷エリアに18目・188種の | |
鳥類が記録されている。 | |
とりわけ重要なのが、オオセッカ(スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科[英学 | |
術名]Megalurus Pryeri )で、1884(明治17)年学会報告から1984 | |
(昭和59)年当地で繁殖確認まで5回しか国内の繁殖報告が無い。 | |
1972(昭和47)年には、トキやコウノトリと同様に、環境庁から特殊 | |
鳥類に指定された。その繁殖地である。 | |
千葉県内観察記録の最古は、1984(昭和23)年10月22日市川市 | |
行徳である。 |
| 黒部川の周辺は水田地帯で、道は農道だから狭い(すれ違いは不可) |
トラック・トラクター等の農業機械(幅が2mを越えるものもある)の通行を | |
邪魔せぬよう、釣り人は車を遠方に置いて歩いて探るスタイルを推奨する。 | |
(特に、代掻き・田植の4月〜5月上旬、稲刈りの9月〜10月の時期) | |
トイレ・売店・駐車場なし。 | |
また、鴨撃ちで賑わう冬の釣行はお勧めできない。 | |
ほぼ直線の下流部には、小見川体育館やボート(フォアー等)の | |
練習場があり、休日は頻繁にボートが行き交う。 | |
国営大利根用水取水口(揚水機場)も設置されている。 |
近世の銚子は、紀州からの移民により振興されたことや、 | |
広義の銚子は(2代目以降の転居を含め)小見川町・東庄町・波崎町 | |
等を含む海上郡一帯を意味することは良く知られている。 | |
副題「移住海商民の影を追って」の常世田令子『銚子湊昔絵がるた』は、 | |
「外川築港と紀州の人々」等、土地に生まれた著者ならではの視点で | |
郷土を描いており、興味深い。 | |
小見川町に、木内堰(木内)・大堰(五郷内)・新堰(五郷内)・ | |
和泉堰(和泉)・岡飯田堰(岡飯田)・下飯田堰(下飯田)があり、 | |
東庄町に、鹿野戸堰(笹川ろ)・青馬堰(青馬)・新宿堰(新宿)・石出堰 | |
(石出)・今泉堰(東今泉)・八丁堰(小南・別項参照)等がある。 | |
付近には、橘堰(別項参照)もある。 | |
小見川町羽根川に小見川町文化財保存館(0478-82-1111)が、 | |
東庄町笹川いに、天保水滸伝遺品館(0478-82-1111/要電話)が | |
あるので立ち寄るのもよい。 |
Reference Books. |
||
〇釣魚随筆 西澤邦次 | 1936(昭和11)年10月05日 | |
新小説社 | ||
○魚つり随筆 土師清二 | 1941(昭和16)年05月31日 | |
三省堂 | ||
〇河川の釣 益田 甫 現代日本の釣叢書 | 1941(昭和16)年11月20日 | |
水産社 | ||
〇水辺随筆 太田黒克彦 | 1942(昭和17)年06月25日 | |
日本電報通信社出版部 | ||
○随筆釣道楽 土師清二 | 1948(昭和23)年07月20日 | |
自由出版 | ||
○釣人の四季 中山善三郎 | 1953(昭和28)年04月05日 明玄書房 | |
○千葉県統計年鑑(昭和42年) | 1968(昭和43)年03月25日 千葉県企画部統計課 | |
○蝉の森 谷本雄治 | 1968(昭和43)年06月10日初版 ぎょうせい | |
○利根川河口堰図集 | 1971(昭和46)年06月 水資源開発公団利根川河口堰建設所 | |
○千葉県鳥類目録(昭和50年) | 1976(昭和51)年03月 千葉県環境部自然保護課 | |
○旭市政要覧‘77 | 1977(昭和52)年03月 旭市商工開発課 | |
○銚子湊昔絵がるた 常世田令子 | 1985(昭和60)年01月15日 三省堂 | |
〇大崎紀夫の にっぽん釣りあるき 大崎紀夫 | 1986(昭和61)年05月10日初版 新門出版社 |