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Subject: 「特定外来生物等の選定について」
題名:「特定外来生物等の選定について」
[意見提出用紙]2005年02月26日送付
[件名]特定外来生物等の選定について
[宛先]環境省自然環境局野生生物課
[氏名]吉田義明
[郵便番号・住所]〒284−0044 千葉県四街道市和良比286−23
[電話 番号]043−432−5585
[FAX番号]043−432−3666
[御意見]
1意見の対象となる種 オオクチバス
2意見の概要(100字以内で記載)
オオクチバスを特定外来生物の指定対象とすることに反対する。
3意見及び理由
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下「外来生
物法」という。)に基づく特定外来生物等について、特定外来生物等専門家
会合において指定対象とすることが適切であるとされた、オオクチバスにつ
いて以下に述べる理由により、特定外来生物の指定対象とすることに反対す
る。
【注】
引用部分は『カッコ』内に原文のまま記述し、その直後に引用文献または参
考ホームページを示す番号を《100》のように付し、出典は最終段にまと
めて記載した。
(1)
オオクチバスは、少なからぬマスコミによって、適切ではない報道がなさ
れ、故意に悪者に仕立てあげられている、と感じられる。
たとえば、青森市を本拠とする東奥日報という地方紙がある。
その2005(平成17)年02月06日付「オオクチバスの規制は当然」
と題する社説に
『オオクチバスの生態系への影響を考える時、当然の措置
だ。』
『地域本来の生態系を破壊する。』
『生態系に影響を及ぼす象徴ともいえるオオクチバスの指定を遅らせようと
いうのは本末転倒だった。』
『各地の生態系を破壊する原因となった。』
『生態系の保全を第一に考えるよう、釣り人も意識を変える必要がある。 』
《100》と、長くはない社説に5ケ所ほど、オオクチバスが生態系を破壊
すると決め付けたと受取れる文言が書かれている。
同社説中に「オオクチバスが生態系を破壊する」と主張する根拠は示されて
いないが、根拠は何であろうか。
誰が、いつ、誰に、どのような取材をしたのであろうか、あるいはどのよう
な調査に基づく記述であろうか。
原案と発表の間に、社説の文章表現の適切さについて、どれほどのチェック
がなされたのであろうか、といくつかの疑問を抱いてしまう。
もとより、一般個人の発言とは違い、名のある会社組織の社説にはそれなり
の社会的影響があると考えるのが常識であろう。
だからこそ、会社組織の社説はそれなりの責任を負う必要があると考えられ
る。
ましてや、日々のニュース等を配信・報道することを業としている、マスコ
ミにあっては、社説の社会的影響力については、十分な認識があると思え
る。
(2)
2004(平成16)年07月23日発行、環境省自然環境局野生生物課編
集の「ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と
対策」という全226ページの報告書がある。
その中で、本題を論じている該当箇所「V、ブラックバス・ブルーギルが在
来生物群集及び生態系に与える影響」の「3、生態系に与える影響」には
『ブラックバス・ブルーギルが侵入・定着することで、本邦の湖沼生態系が
どのような影響を受けているかについての知見はほとんどなかった(以下
略)』《101》と、記載されていると、環境省特定外来生物諮問委員が指
摘している。
この指摘では、該当箇所全文の引用もされているが、全文といってもたった
の8行である。
226ページ中の8行を根拠として、報告書の題名とすることには、環境省
自然環境局野生生物課の悪意に似た作為を感じざるを得ないが、今は論点が
違うから、その点の追求はしない。
問題は、マスコミの姿勢にあると思う。
在野の一般個人ではなく、地方にあるとはいえ会社組織のマスコミにおい
て、「外来生物法」の行政における元締めが「ブラックバス・ブルーギルは
湖沼生態系に影響を与えていない」旨の、正式で最新の報告書をだしている
にもかかわらず、本年2月6日付社説を発表する場面で、前年7月から本年
2月にいたる期間、前掲報告書の存在を知らぬ道理はなかろう。
取材も調査もせず、憶測だけで社説を書くことは困難であろうから、不勉強
で知らなかったのではなく、自己の主張に都合の悪いものは故意に隠し、報
告書の存在とその内容を読者に伝えまいとする姿勢が見えるかのようだ。
環境省によるパブリックコメント募集という、この時期に、オオクチバスを
論じるなら、かつ、マスコミの社説であればなおのこと、中立で公正に高所
からの視点であって良いと思うのだが、さにあらず。
デッチあげたウソの社説を垂れ流し、オオクチバス釣り人を混乱させ、世論
を一定の方向へ向かわせるかのごとき、偏った報道のあり方は、容易に納得
できるものではない。
上述の一例のように、ある結論へと方向を仕組まれたマスコミの無責任な報
道により、オオクチバスは偏見を持って評価されている、と感じられる。
(3)
従って、オオクチバスを「外来生物法」の特定外来生物の指定対象とするこ
とに反対する。
【参考文献リスト】
《100》「オオクチバスの規制は当然」
2005(平成17)年02月06日 東奥日報 社説
http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2005/sha20050206.html
《101》魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか
2005(平成17)年03月01日、水口憲哉、フライの雑誌社
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2005年02月26日「ザ・レイクチャンプ」よしさん